「150万円貸して欲しい」「借用書も書くし、すぐに返せる」と…
理由を聞くと、『沖縄で細川たかしさんのディナーショーを吉本のお偉いさんと組んでやるんや』と。まともな音響の会社もしっかり入れてやるので600万円かかって、そのうち300万円を高橋が出さなければならないと言うんです。そのうち半額の150万を、準備金として必要だから貸して欲しいと言いました。久しぶりに電話が来たと思ったら『金を貸せ』ですから、渋りましたよ。
でも『借用書も書くし、イベントが終わり次第すぐに返せる』と押しが強い。私としては、返済はいつでもよかったし利子もいらなかったのですが、高橋は『1カ月で30万足して払います』とわざわざ自分から条件を提案して、お願いしてきました。極めつけは『私は吉本の人間や。さんまの兄弟子で顔も割れているし、逃げたくても、逃げも隠れもできへん。調べてもらったらわかりますよ』と言い、『脳梗塞で1回ダメになったけど、もう一度復活したいんや』と人情にも訴えかけてきた。最後は折れ、応援する気持ちで貸すことにしました」(同前)
返済直後に呼び止め「もう1回貸してくれまへんやろか」
金を貸してから約1カ月後、Aさんと高橋容疑者は名古屋市の喫茶店で落ち合い、無事借金は返済された。
だが、一息ついてその場を立ち去ろうとするAさんを見て、高橋容疑者は「Aさん、ちょっと待って!」と大声で呼び止めた。
「実はもっと大きい話がありますねん…。今返した金にもう少しだけ上乗せして、もう1回貸してくれまへんやろか」
こうして、Aさんの“人助け”につけ込んだ借金は、更に膨れ上がっていく。
「実は詳細は知りませんでしたが、金を貸す前から、過去に何かでトラブルがあり高橋が逮捕されたことがあるとは聞いていました」(Aさん)
では、そんないわくつきの高橋容疑者を、Aさんはなぜ信じたのか? そこには高橋容疑者の巧妙な“人心掌握術”があった。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。