「返済予定日から3日経っても高橋から連絡が来ないので、借用書にあった高橋の奥さんの連絡先に電話したんです。その流れで『旦那さん、どんな仕事しているんですか』と聞くと、『マンションの管理を夜勤で週3日やっています』と…。
『イベントのプロデューサーじゃないんですか? 私に1000万円借金しているんですよ』と言うと、『え!?』と驚いた様子でした。『さすがにこれじゃ金は返ってこないな』という思いと、善意を踏みにじられた悔しさで目の前が真っ暗になりました」(Aさん)
愛知県警は5月19日、明石家さんまの元相方である高橋平明容疑者(72)を詐欺容疑で逮捕した。高橋容疑者は2021年、実際には開催しないイベントの“準備金”という名目で、知人のAさんから200万円を騙し取った疑いがもたれている。(全3回の3回目/#1、#2を読む)
イベントは嘘だったと認め「なんとか年末まで待ってくれへんやろか」
2020年11月、冒頭のやり取りの後、Aさんは積もり積もった借金の返済を求めるべく、高橋容疑者の住居に近い岐阜駅で待ち合わせた。だが、ここから高橋容疑者の開き直った“暴露”が始まり、詐欺師の本性が現れる。
「まず、2020年8月に声をかけてきたオール阪神・巨人さんを招く予定だというイベントが嘘だったと認めました。高橋はうなだれた様子でしたね。『詐欺だと認めたんで、今から警察に被害届を出しに行きます』と言うと、高橋は『なんとか年末まで待ってくれへんやろか。年末にはイベント未収分の大きな金が入ってきますねん』と食い下がってきた。奥さんも口を揃えて平身低頭でした。結局喫茶店に入り、『年末までに返す』という借用書を書かせ、その場は収めました。
それにしても、仕事が嘘だと分かった時はショックでしたよ。自分が『吉本の若手を食わしてやっている』と言って、さも自分が救世主のような言い方でしたから。『今はコロナで仕事がない若手に仕事を振っている。宮迫(博之)と違って、わしは一流企業のイベントに呼ぶ“正当な闇営業”をしとるんや』と言っていたのに、それもこれも全部嘘だったわけです」(同前)