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 その中の一人は、教団で祈っている時、前世の自分の姿を見たというのである。

「しっぽが生えてもくもくのびて、私は四つん這いになっているのです、獣の姿でした」という時は真青になって震え出している。

 そういう新興宗教は外国まで信者獲得に出かけている。エイズで死んだフランスの高名な小説家で俳優のエルベ・ギベールの恋人が、1日に16時間お経をあげたらエイズは治ると言われて、御本尊をいただき、仕事もしないで朝から夜中まで必死でお経をあげつづけたけれど、恋人は日一日と悪くなって、死んでしまったといって、今では御本尊をかけておくのも怖くてどうしていいかわからないと私に訴えた。

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「地獄に落ちたって結構だ」

 実を明せば、私はそうした人たちから、捨てるに捨てられない恐怖の対象を預って、いくつ処分したか知れない。もし罰が当るなら、私に当れと祈りながら、私はそれを行った。もう何年も前からそうしている。だからフロバでこの間転んだじゃないかって。アハハハ。

 あの悩める人たちが妄想から解放され平常な神経がもどるなら、私は教団の言う地獄に落ちたって結構だと思っている。

 今年の国会は住専と、宗教問題の攻防戦だという、どっちも後へ引かず、膿を出しきってしまうことだ。