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 芸能界を通しても伺えるように、韓国には「学暴」をただのいじめではなく、文字通り「許されない行動・罪」として捉え、対処してきた背景がある。では、LE SSERAFIMのキム・ガラムは、過去にどんな過ちを犯したと疑われているのか。

イジメが原因で転校に至ったと主張

 2018年、キム・ガラムは当時中学1年生だった。被害者A氏は、2018年4月末から5月初めまで、キム・ガラムと彼女の友人たちに「学暴」を受けたと告白。続いた集団加害に耐えられず、1~2週間で転校に至ったと当時を振り返っている。

 A氏側の弁護士法人によると、当時キム・ガラムは学校暴力対策自治委員会の審査の結果、「学校暴力予防及び対策に関する法律第17条第1項第5号(処分5号)」に該当すると判断され、処分されたそうだ。

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 処分5号とは、どれくらい深刻なものなのか。まず、処分は次の通り9つのレベルに分けられる。「第1号:書面謝罪、第2号:接触禁止、第3号:校内奉仕、第4号:社会奉仕、第5号:特別教育、第6号:出席停止、第7号:クラス変更、第8号:転校、第9号:退学」。5号の処分では、教育履修6時間、同条第9項により保護者特別教育履修5時間の処分を受けることが求められる。

 また、被害者であるA氏は、心理相談及び助言等の保護措置を受けたと主張している。A氏の告発以降、SNSやインターネットを中心に、「学暴」で処分されたと疑われるキム・ガラムに対して、批判が殺到している。

キム・ガラムを除いた5人で音楽番組に出演したLE SSERAFIM ©時事通信社

「タレントの過去を隠したまま歩き続けるのか」

 対して、HYBE傘下のSOURCE MUSICは、キム・ガラムの言動はA氏による別の生徒への加害行動に対する抗議から始まったもので、物理的、身体的な暴力行為はなかったとし、次のように立場を表明している。

「今回の議論は、デビューを直前に控えたメンバーに対する虚偽事実が流布されたことで始まったという点をお伝えします。このような虚偽事実の流布は悪意のある行動と判断し、当社は即時、法的措置に着手し、現在も関連の手続きを進めています」。

 SOURCE MUSICによるとキム・ガラムは騒動を通じてメンタルヘルスが悪化したため、活動を休止し療養期間をとることになった。しかし、世間からは「謝罪せず、『学暴』で処分されたタレントの過去を隠したまま歩き続けるのか」と批判を受け続けている。

 こうして、デビューからたった19日でキム・ガラムは活動休止となった。現在も、疑惑の真相は明らかになっていない。