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「“負け”を見せてくれるところに、自分を重ねて救われた」尾崎世界観が語る、深すぎる“ヤクルト愛”

2022/06/23

 旬な人が深くハマっている趣味について聞く連載。

 第7回のゲストは、ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル&ギターの尾崎世界観さん。

 東京ヤクルトスワローズ愛を語ります。

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年間15回は神宮球場に足を運ぶ

 メジャーデビュー10周年を迎えたロックバンド「クリープハイプ」。「文学性が高い歌詞」と評されてきた楽曲、そのほとんどの作詞作曲を手がけるのが、ヴォーカル&ギターの尾崎世界観さん。

 2016年に作家デビューし、21年発売の『母影』が芥川賞候補に。東京生まれで、熱狂的な東京ヤクルトスワローズファンでもある。取材当日は全国ツアーの合間を縫い、今シーズン5回目となる明治神宮野球場での応援。試合開始は18時だが、15時頃からそわそわしてしまうそう。

©Nobuyuki Seki

「年間15回は神宮球場に足を運びます。初めて球場で試合を観戦したのは、1992年、小学2年生の時で、最初はヤクルトファンの父に無理やりヤクルト対巨人戦に連れて行かれたんです。

 人も多いし、騒いでる人たちも怖くて、何なんだろうと不思議でした。野球のルールも分からなかったので、打った後にバットを高く放り上げている選手に周囲が異常に盛り上がっていたのも理解できませんでした。のちに巨人の原辰徳選手が9回に同点2ランを放って、興奮のあまりバットを放り上げた有名なシーンだと判明したんですが、その瞬間を内野席で後ろ側から観ていた記憶があります。

 でも、その年はヤクルトが久しぶりにリーグ優勝をして、父から『週刊ベースボール』の優勝記念号をもらったのが嬉しくて、分からないなりに夢中で読みました」

全文とグラビア写真は『週刊文春WOMAN vol.14(2022年 夏号)』に掲載中

 野球の知識を詰め込み、その年の日本一を決める日本シリーズは、最終戦の第7戦まで全てテレビにかじりついて観戦した。

「初戦で、12回裏に杉浦享選手が代打サヨナラ満塁ホームランを打ったのがカッコ良くて。結果的に、ヤクルトは西武に負けてしまったけれど、どんどん野球にのめり込んでいきました」

 翌年の日本シリーズも西武ライオンズとの対戦で、再び3勝3敗で第7戦へ。