6月17日、早稲田大学政治経済学術院所属の教員がアカデミックハラスメントをしたとして、停職6カ月の懲戒処分になっていたことが報じられた。当該教員は大学を退職したという。

「改めて大学全体での教員研修を行う」とした早稲田大学。このハラスメントは「週刊文春」に寄せられた告発によって明らかになっていた。名門大学で一体何が起きていたのか。当時の記事を公開する。(初出:「週刊文春」 2022年4月7日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)

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「自殺予防という社会的弱者の救済を研究テーマとする大学教員が、欺瞞的な態度をとり続けていることに怒りを覚えます。早稲田大学は彼女のハラスメントをなぜ隠蔽するのか。不信感と悔しさで一杯です」

 こう吐露するのは、早大院博士課程に在籍する男子学生Aさん(25)だ。

早大はダイバーシティやジェンダー教育を推進

 Aさんは2014年に早大政経学部に入学。そこで出会ったのが指導教官のB准教授だった。

「米国の名門大で博士号を取得した40代後半の才媛です。自殺予防学の専門家としてテレビや全国紙に何度も登場。既婚者で子供もいます」(早大関係者)

 Aさんは2年時からB准教授の研究助手に就いた。ところが17年3月、台湾大学への出張に誘われたことをきっかけに関係は変容したという。Aさんに事情を聞いた早大教職員が語る。

「台湾の宿泊先に用意されていたのは同じアパートメントでした。A君が昼にベッドで横になっているとB先生が身体をまさぐりはじめ、『もうここまで来たのだから』と……。A君は性行為の経験もなく、拒否できなかったのです」

 次第にAさんは恋人のように扱われ始めたという。