1ページ目から読む
2/3ページ目
「土俵に上がらないから負けない」論法
しかし、「コッカイオンドク!」には最強のライバルがいるのではないか?
菅官房長官である。その理由の前に、菅氏の「言葉」に関する記事も最近多いので紹介しよう。
「勝負避ける『菅話法』とは」(毎日新聞・6月15日夕刊)
菅氏がよく使うフレーズと言えば「そのような指摘は当たらない」「全く問題ない」。
この話法の意味を映画監督の想田和弘氏が記事中で分析する。
「菅氏の言葉は、相手の質問や意見に対して、正面から向き合わないことに特徴があります。『その批判は当たらない』など、木で鼻をくくったような定型句を繰り出すことで、コミュニケーションを遮断する。実質的には何も答えない。したがってボロを出さないので無敵に見えるのです」
質問者が正面からぶつかればぶつかるほど、相撲の技で言えば「肩すかし」を食う状態に似ている。そう思って記事を読んでいたら、
《つまり、相撲にたとえると「土俵に上がらないから負けない」論法だ。》
あ、土俵にすら上がってなかったわけか。
私が先ほど「コッカイオンドク!」の強敵は菅官房長官ではないかと書いた理由はここにある。感情の温度が低くてコミュニケーションの意思がないようにみえるので、わざわざ「音読」をしなくても「何を言っているかわからない」ことは歴然だからだ。