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「死刑執行に立ち会った刑務官は、その日執行が終わればすぐ家に帰れるんですけど『もらった手当を使いながら時間を潰して帰る』という人の話を聞いたときはびっくりしました。執行したことを家族に知られたら精神的に辛いし、家族に負わせたくないから生活の中に死刑を持ち込まないようにしているそうです」(同前)
そんな重いテーマについて明かす刑務官の“マトバさん”について、一之瀬さんは「お話しされているときは淡々とした感じ」と話す。
「当たり前ですが、刑務官の方も人間なんですよね。普通の会社員と同じように働いている中で死刑があったり、懲役刑の人と接したりしていて、すごく難しい仕事だと思います」(同前)
なかなか知れない死刑の実情
海外に目を向けてみると、国連加盟国ですでに死刑を廃止した国は半数を超えている。日本でもこれから議論が続いていくことは間違いないが、まずは「死刑を知る」ところから始めるべきなのかもしれない。
「漫画を描き始めた時は純粋な興味でしたが、死刑について考えるというテーマを皆さんに提示できたかなと思っています。死刑執行のニュースが少しでも心に引っかかる人には、死刑に賛成でも反対でも立場を問わずにぜひ読んでほしいです」(同前)