文春オンライン

2022/06/27

12年間の在野で培った世渡り

 とは言ってもプロはまず何より勝利を優先することが前提のはずだが……。

 根尾は6月19日に本拠地バンテリンドームで行われた巨人戦、1-5の九回2死から投手転向後の初登板を果たした。既に敗色が濃かった試合で、ファンからはこの日一番の歓声が上がった。番記者は皮肉を交えた冷めた口調で振り返る。

「ドラゴンズではプロ未勝利の投手が1番人気です。監督は、球場に足を運んだファンに白星を届けられないなら、せめて楽しんでもらおうと考えたのでしょう。ほとんど“客寄せパンダ”です。この試合は地元テレビ局も中継していて、その局と関係が深い立浪監督の采配は負け試合でも番組を盛り上げることに貢献していました」

根尾は高校時代の輝きを取り戻せるか? ©文藝春秋

 立浪政権誕生は長年、白井文吾オーナー(現名誉オーナー)が強硬に反対していたとされる。現役引退から監督就任までは実に12年を要した。

「立浪監督は途中で諦めかけるほど待たされました。簡単には辞められないでしょう。勝つことより、球団や親会社、地元ファンの思いをくむことが長くやるための条件とでも思っているのでしょうか。長かった在野時代に練っていたのが“世渡りの術”だというなら寂しい限りです……」(同前)

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