スピードや球種など、課題が山積み
「根尾をあがりにしたことは、監督自ら1軍レベルのリリーフではないと認めたようなもの。根尾が1軍にいる影響で出番を奪われている選手もいるでしょう。何より本人のために、2軍で一から鍛え直すべきです。まずは徹底的な投げ込みと走り込みです。
ストレートは150キロを超えても球速ほどスピードが感じられず、上背がないため角度もない。球の質を上げることですね。並行して変化球の習得。先発でやっていくならスライダー以外にチェンジアップやツーシームなどの球種を磨いてほしい。長いイニングを投げるスタミナを強化することは言わずもがな。課題山積です」
コーチレベルはアンタッチャブル
立浪監督はPL学園高で春夏甲子園連覇を果たし、1987年にドラフト1位で入団した中日では星野仙一、落合博満両監督の下で優勝を経験した。誰よりも勝つことの厳しさを知り、ノウハウも持っているはずだ。にもかかわらず、なぜ多くのプロ関係者が首をかしげる「根尾1軍」に固執するのか。答えは与田剛前監督時代からのスタッフの言葉にありそうだ。
「根尾はルーキーの時のキャンプからグッズの売れ行きが断トツなんです。全国区の選手が少ないチームで、球団はこの人気にあやかりたい。かつて与田監督に『なぜ根尾を使うのか』とコーチが食ってかかったことがありましたが、頑として聞き入れられることはなかった。根尾はコーチレベルではどうにもならない、アンタッチャブルな存在だと感じました。立浪監督になっても根尾の処遇には球団の影を感じます」
地元名古屋のテレビ局関係者が補足する。
「根尾が岐阜県出身であることも関係していると思います。岐阜は(球団の親会社の)中日新聞の戦略上、重要拠点。(2度監督を務めた)高木(守道)さんしかり、(西武からFA移籍した)和田(一浩)さんしかり、岐阜出身者を手厚くする方針は今に始まったことではありません。根尾の扱いについて、勝敗より興行を優先しても不思議ではありません」