電車内でタバコを吸って、注意してきた男子高校生に暴力を振るい、大ケガをさせた上、取り調べの際には、副検事に向かって、暴言を繰り返したとされる男。今月16日に行われた初公判では、驚くべき事件の真相が語られた。
電車内でタバコ 注意され高校生を”ボコボコ”に
取材などによると、今年1月23日、栃木県・下野市を走行中のJR宇都宮線の車内で事件は起きた。元ホストの宮本一馬被告(28)は、車内の優先席に寝そべり、加熱式たばこを吸っていたという。それを見かねた17歳の男子高校生(当時)が注意したそうだ。
ところが、宮本被告は、突然、男子高校生の胸ぐらをつかみ平手打ち。そして「クソガキ。土下座せえや、早く。謝れや、頭下げろや、謝れや」などと迫って、土下座をさせたという。その上で、頭を踏みつけ、顔を蹴るなどしたとのこと。
さらに暴行は続いた。電車が自治医大駅に到着した後も、宮本被告は、ホーム上で、男子高校生の腹を複数回蹴り、顔を殴るなどしたとされる。男子高校生は、ぜんそくの持病があったため、「たばこをやめてくれませんか」と頼んだところ、宮本被告が逆ギレしたという。被害者の高校生は、全治6カ月の重傷を負った。
当然、宮本被告は逮捕され、のちに強要罪(無理矢理、土下座をさせた行為)と傷害罪(暴行して、ケガをさせた行為)で起訴された。しかし、宮本被告の”傍若無人”な振る舞いは、これでは終わらなかった。その後の捜査の過程で、別の事件が起きた。
「マジ暴れる、普通にシバき回すぜ」副検事に悪態
今年2月1日午後、現場は宇都宮地検栃木支部の検察官室。宮本被告は、取り調べを担当した副検事に対して、罵詈雑言の数々を浴びせかけたという。「あんま人をバカにしたしゃべり方すんなよ」「ほんまに次こそ暴れ回すぞ」「俺暴れる時、マジで暴れるぞ」「俺、電車の中でも暴れる奴だから」。