激戦が繰り広げられている参院選長野選挙区(定数1)で、歌手の松山千春(66)による自民党公認候補・松山三四六氏(51)の選挙応援を巡り、公選法違反の疑いがあることが「週刊文春」の取材で分かった。
地元記者が語る。
「三四六氏は長野では圧倒的な知名度を誇るローカルタレント。柔道選手として将来を嘱望されたが、明大時代にケガで挫折。その後はものまねタレントやラジオDJとして活動。東京出身ですが、2001年から拠点を長野に移し、地元局で冠番組を多数持った。芸名は、師匠と仰ぐ千春と柔道小説の主人公・姿三四郎が由来です」
三四六氏が立候補している長野選挙区は、全国有数の激戦区だ。
「TBS記者出身で有名キャスターだった立憲民主党の現職・杉尾秀哉氏(64)とのデッドヒートです。公示前は杉尾氏優勢と見られていましたが、三四六氏が猛烈に追い上げている。三四六氏の妻で女優の網浜直子(53)も街頭演説に登場する総力戦を展開しており、じりじりと差を詰めて、もはや横一線と言われています」(同前)
問題のシーンは、参院選公示日の6月22日。歌手の松山千春が、自ら「弟のような存在」と語る三四六氏の応援のために、冬季五輪の会場にもなった長野市の「ビッグハット」前に現れた際のことだった。千春は「長野のことを想うなら三四六!」などと熱弁をふるい、おもむろに歌いだした。
「♪果て~しない 大~空と 広~い大地の その中で いつの日か 幸せを 自分の腕で つかむよう」
時間にして約40秒。自身が作詞・作曲した代表曲「大空と大地の中で」のあまりに有名な一節だ。口ずさむ聴衆の声が重なって合唱のようになり、千春が歌い上げると万雷の拍手と喝采が響いた。