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「ロ日大学・ロ日基金」のルート
プロジェクト・チームは情報の分析と評価ののち、次のような結論を導き出した。
〈まず、資金のつながり。オウム真理教は「ロ日大学・ロ日基金」のルートを通じてハズブラートフ元最高会議議長やグラチョフ国防相らロシア政界や軍部に面識を得ていた。またエイズ撲滅運動や無料診療所の開設を申し出て100万本の注射針を寄贈したり、資金を提供したりする代わりに多くの便宜を供与された。
特筆すべきは、ロシアのテレビ局「2×2」の番組を取得したこと、またラジオ局「マヤーク」と年間80万ドルで契約し、ロシア通信省から日本向け放送の電波枠を獲得していた点である。
武装蜂起後、こうした電波を通じて、教団の正当性を日本に向けて発信し、プロパガンダの拠点とするつもりではなかったのか〉
7月8日発売の「文藝春秋」8月号にて、北村氏は9ページにわたってオウム真理教の事件を振り返っている。ロシアとの関係に加えて、警察庁長官狙撃事件、オーストラリアでの毒ガス使用事件などについても記している。
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