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 同作の共演者からは、現場での吉高のスイッチの切り替えがすごいという声も上がった。このことを取材中に教えられた彼女は、《それでいうと(自分は)“瞬発力タイプ”だと思うんです。自分で決めたわけではないんですが“カットがかかったらスイッチを切り替える”という無意識の中で自分に落とし込んだルールというか、そういうスイッチの入り方なのかなという感じはします》と自己分析している(※7)。

2014年、第25回日本ジュエリーベストドレッサー賞を受賞 ©文藝春秋

かつて「女優より普通のOLがいい」が口癖だったが…

 憑依型と呼ばれる俳優には、演じる役を家にまで引きずる人も少なくないようだが、吉高は違うらしい。かつて「女優より普通のOLがいい」が口癖だったという彼女だけに、いまなお、いい意味で自分のなかに“普通の人”の部分を持ち合わせているのかもしれない。

 この秋には久々の舞台作品となる『クランク・イン!』の公演を控える。劇中で演じるのは、ある映画で「プロデューサーの紹介でそれなりの役に抜擢された女優」で、撮影中しだいに存在感を増してくる役どころだという(※8)。駆け出しの頃の吉高を思い起こさせるが、これをどう演じるのか楽しみだ。再来年の大河『光る君へ』も、紫式部には謎の部分も多いだけに、彼女がその人生をいかに現実味をもって見せてくれるのか、早くも期待が高まる。

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※1 「WEBザテレビジョン」2022年5月11日配信
※2 『週刊文春』2018年4月12日号
※3 『AERA』2012年3月19日号
※4 『週刊文春』2013年2月21日号
※5 『文藝春秋』2014年8月号
※6 『キネマ旬報NEXT』Vol.15(2017年9月)
※7 「WEBザテレビジョン」2021年12月16日配信
※8 M&Oplaysプロデュース『クランク・イン!』プレサイト