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2018/01/01

「一帯一路」とデジタル経済は融合する?

 ここで話は終わらない。近年、政府主導の「一帯一路」構想のなかに、Eコマースをはじめとするデジタル経済が加わりつつあることである。「デジタル一帯一路」(Digital Belt and Road)とも呼ばれる領域の出現だ。意味が不明瞭なバズワードを更に掛け合わせたような現象だが、想像力を豊かにして実態をなるべく見ようとすることが大事だ。マレーシアのクアラルンプールで計画されるインターネットシティ構想には阿里巴巴(Alibaba)が関わり、アフリカ・ケニアでのスマートシティ・セーフシティの開発案件はファーウェイが関わる。単なる基礎的インフラの建設を越えて、「新興国×ニューエコノミー」の領域での中国企業の事業展開を予感させる動きだ。

アリババのジャック・マー氏 ©getty

「デジタルな次元での一帯一路」が動き始めているとしたら、日本はどのように対応すべきだろうか。深くコミットすることで事業機会を探るべきだろうか。それとも警戒感から距離を取るべきだろうか。世界経済の「デジタル化」と「中国化」という難問の掛け合わせに対して、単純な答えは慎むべきだろう。少なくとも、WTOなどで進む電子商取引を巡る議論に積極的に参画することは重要な取り組みだ。

 筆者は日本への提言を持ち合わせていない。ただ、筆者としてより広い視野の下で行動を起こし、新技術の社会実装を率先して試していくことが大事になると感じている。平たく言えば、英語を勉強し、遠い国にも行き、中国人とも、様々な国々の人ともおしゃべりし、新しいガジェットを買い、新しいアプリをダウンロードするべきだと思う。中国のデジタルな世界を垣間見たければ、例えば阿里巴巴のEコマースアプリAliExpressをダウンロードしてみて、そこに陳列されている製品を眺めてみよう。中国発の膨大なアイデアを体感できるだろう。

 お正月休みに一つでも新しいアプリをダウンロードして、何かを試してみることは、新しい地図に一歩踏み出してみるうえで、きっと悪くないスタートだ。

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