――では、これはまだ正式には挨拶が済んでいない状態ですか?
高木 そうなるかもしれませんね。近くに座るにしてもあっさり立ち去るにしても、こういう場面だとお尻のニオイは嗅がせるし、嗅ぎますね、大体。
――でもこの場面、三毛猫の方は座ったままでいいんでしょうか。ニオイで挨拶をするなら、三毛も茶トラに対してお尻を差し出さないと不公平な感じがします。
高木 いえ、それは大丈夫です。まずは行った方から挨拶するのが基本ですので。
――「拙者、これこれこういうものに御座る」と。
高木 そうですね。もちろんこの一連のインタラクション(交流)の後に三毛が茶トラにニオイを嗅がせるという展開も起こり得ますが、まずは行った方がお尻を出せばOKです。
ちなみに先程リアルな動きだとは言ったものの、身体を弓なりにするのは「甘え」のポーズなので、猫から猫に対してやることはそんなに多くありません。人間の足元に寄ってくるときや、子猫が親猫に対してすることが多い動作ではあります。
でも、その後の仕草は自然ですね。近くに座ってみるけど、少し相手を舐めたらすぐに立ち去ってしまう感じ。この淡白さ。インタラクションがそんなに長く続かないのは猫らしいコミュニケーションです。別れが名残り惜しいとか、そういう素振りは一切見せてくれないんですよねえ……。
リアルすぎる猫の振る舞い
高木 2匹目、3匹目の猫とのインタラクションもリアルです。片手パンチでちょっかいをかけてからゴロンと仰向けになって「遊ぼうよ」と誘う。でも、これもあっさり終わってしまう。
続けて黒猫の尻尾にじゃれついていきます。動いているものなので、尻尾は狙われやすい部位なんですよね。誰かが尻尾にパンチをして、そこからケンカや遊びが始まっていく。そういうパターンは非常に多いです。
――挨拶はお尻からで、遊びは尻尾から。
高木 あるあるですね。
でも、動くものに猫が反応するのは反射的な行動でもあるので、自分のパンチしているそれが「猫の尻尾」だとは認識してないかもしれないです。尻尾の持ち主のこととか全く考えてなくて、とりあえず動いているから手を出しちゃうみたいな。
――なるほど。この動画は概ね以上になりますが、一通り見てきた感触としてはいかがでしょう。みんなにちょっかいを出していく様子を見ると、この茶色い猫はかなり甘えん坊というか、“かまってちゃん”な印象だったりしますか?