スクウェア・エニックスのオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXI」(以下、FF11)が2002年5月16日のサービス開始から満20年が経過しました。基本利用料無料・アイテム課金のスマホゲームがそろい、淘汰の激しいゲームビジネスの中、定額課金(30日1298円)の同作が長期間にわたってサービスを続けられるのはなぜでしょうか。

 FF11は、平原や森林、砂漠、雪原などが広がる世界「ヴァナ・ディール」を舞台にしたオンラインゲームです。

 最大の特徴は、数千人規模のプレーヤーが、一つのサーバーで一緒にプレーするMMORPG(大人数が同時にプレイするオンラインRPG)であること。プレーヤーは、分身キャラクターを作製し、「戦士」や「白魔道士」「侍」といったFFシリーズでおなじみの「ジョブ」を切り替えて世界を冒険し、他人とパーティーを組んで戦い、アイテムを制作・取引します。

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サービス開始から20年たったFF11。いまなお人気を集め続けるモンスターゲームはなぜ生まれたのか

 2002年のサービス開始時には、PlayStation2本体とソフトの購入だけでなく、さらに外付けの周辺機器(ハードディスク)も必要でした。それでも希望者が殺到してサーバーがダウンするほどの人気となり、最盛期は「有効会員数(アクティブユーザー、解約済みは除外)50万人以上」を誇りました。

 拡張データディスクの発売とメジャー・バージョンアップは、2015年の同作エンディング・シナリオとなる「ヴァナ・ディールの星唄(ほしうた)」の配信が最後。またすでに、PlayStation2やXbox 360でのサービスも幕を下ろしており、現在ではPCのみでの展開になっています。

 もちろん、バージョンアップも規模をコンパクトにして、新要素や物語の追加をこまめに実施する方針を取っていますが、第三者から見ればエンディング・シナリオを出し終えたのですから、“完結”しているとも言える状況。そこに加えて、スクウェア・エニックスはFF11の後継的オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」(FF14)もサービスしています。にもかかわらず、FF11の現在のサーバー数はいまだにピーク時の半分を維持しているのです。

 そんな今でこそ成功したFF11ですが、最初は手探り状態でした。