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千鳥、滝沢カレン、ブルゾン…… 今年の顔は誰だ?

エスム 私はみなさんに比べると、実はバラエティにそれほど強くないんですが、今年のバラエティの顔といえば誰だと思いますか?

スキマ 僕は千鳥の躍進がすごかったと思います。これまでは、まさにあのクセのすごさが足引っ張ってるところもありましたけど、ついに視聴者側がクセになってしまった。

岡室 私、昔から千鳥が好きだったんですけど、ちょっと破壊的すぎて難しいのかなって思っていたら、ここにきてね。よかったです。

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スキマ あと『脱力タイムズ』での破壊的な日本語で話題になったスター、滝沢カレン。

ササダン 『THE W』でゆりやんレトリィバァが女芸人ナンバーワンに決定しましたけど、女芸人はどうですか?

岡室 CMで高畑充希が完コピするほどになった、ブルゾンちえみ。渡辺直美の活躍も続いていますね。

 

スキマ にゃんこスターのアンゴラ村長が「顔とか生まれとかを蔑む笑いは古い」って堂々と言ったのも、土壌が新しくなったなあって感じを持ちました。

ひふみん、ついには紅白歌合戦の審査員ですよ

エスム 多様化しつつも、女芸人ブームはまだまだ続きそうですね。ところで先日、野村沙知代さんが亡くなりました。かつてサッチー・ミッチー・デヴィ夫人らによる熟女大活躍時代がありましたが、ああいう、厳しいことを言う少し上の女性の役目を今、マツコはじめオネエタレントが担っているような気がします。

ササダン ある種の異形がテレビで重宝される傾向はありますね。

スキマ あと、バラエティの顔として忘れちゃいけないのが、ひふみんこと加藤一二三さん。藤井聡太旋風で巻き起こった将棋ブームもあって、注目度が急上昇でした。

岡室 ひふみんは『木皿泉ショートショート』に役者として出演、ついには紅白歌合戦の審査員ですよ。

ササダン 将棋界からすれば、やっと気づいてくれたのかって人なんでしょうけど、僕たちにとっては「なんだこの人!」って新鮮でしたからね。女芸人、オネエタレント、ひふみん。やっぱりある種、人形っぽい存在がテレビでは安心して愛されるってことでしょうか(笑)。

 

テレビっ子会議2017【ドラマ編】は12月31日に公開します!

写真=榎本麻美/文藝春秋

エスムラルダ/1972年生まれ。ドラァグクイーン、コラムニスト、脚本家。著書に同性パートナーシップ証明、はじまりました。』(ポット出版/KIRA氏との共著)など。

 

岡室美奈子/1958年生まれ。早稲田大学文化構想学部教授。早大演劇博物館館長。専門はテレビ文化研究とベケットなどの現代演劇論。

 

スーパー・ササダンゴ・マシン/1977年生まれ。プロレスラー。マッスル坂井としても活躍。実業家として家業も営んでいる。

 

てれびのスキマ/ 1978年生まれ。ライター。著書に『1989年のテレビっ子』『笑福亭鶴瓶論』など。