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軽自動車を黄色のベンツに乗り換えて…

 国政への夢破れた後、各地で仮想通貨のセミナーなどをしていた吉羽容疑者だったが、突然、2019年の寝屋川市議選挙に出馬。帰ってきた吉羽容疑者が市民に受け入れられたのか、2368票の票が集まり、当選した。

「吉羽さんは妊婦でしたので、街頭演説などで見かけた記憶はありません。主な選挙活動はポスター掲示くらいで、目立ったことはしていなかったと思います。お金もかけず、知名度だけで当選してしまうのだから圧巻です。彼女も周囲に対して『次回が本番だと思っていて、試しに立候補したら当選した』と話していた。当選後の議会で演説する際、ただ原稿を棒読みするのではなく、相手の目を見て訴えるので、ぽっと出の政治家じゃないんだなと感じていました。子連れで議会に出席することもあったのですが、議会担当の職員が本来の仕事ではない子守りをさせられていて大変そうでした」(別の現役市議)

現在の住まいとされる高級タワーマンション Ⓒ文藝春秋

 市議に返り咲いた後の吉羽容疑者は羽振りがよかったという。当選翌年に寝屋川市にあるタワーマンションの高層階の部屋を購入している。登記簿を確認すると、吉羽本人と母親の共同名義での所有になっている。

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「両親は熟年離婚しているようで、タワーマンションでは母親と彼女と子供の4人暮らしでした。当選当初こそ軽自動車で登庁していましたが、すぐに黄色のベンツに乗り換えています。議員報酬だけで高級車やマンションはとても購入できません。しかし、昨年末に母親分の所有権が差し押さえられているんです。何らかの問題が発生して吉羽家の資金繰りがショートしていたようです」(前出の議会関係者)

体調不良で議会を欠席も、議員報酬とボーナス計約350万円

 吉羽容疑者は今年5月以降、体調不良を理由に議会を欠席していた。5月から7月末まで毎月約60万円の議員報酬、6月末に夏季ボーナス約160万円。合計約350万円に及ぶ市民の血税が吉羽容疑者には支払われている。現役市議の逮捕を受け、寝屋川市議会は議員が逮捕された場合の報酬の一時差し止めについて、条例改正することで合意に至った。

最近は市議会を欠席していた Ⓒ文藝春秋

 吉羽容疑者と同居していた実母に詐欺行為などについて尋ねたが、「お答えすることはありません……」と、取材に応じることはなかった。

 夢だった“赤絨毯”から一転、塀の向こうの容疑者となった吉羽容疑者は取調室で何を思っているのだろうか。真相究明が待たれる。

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