「昨年の始めくらいのことだったと思います。何人もの寝屋川市議たちに不審な電話がありました。男性の声で『吉羽はどこにいる?』『吉羽を出せ』と声を荒らげて怒鳴り、知らないと答えても何度もかかってきました。吉羽本人にそのことを伝えると、『次に電話があったらこの携帯番号を伝えてください』と。その頃から様子に異変が生じており、体調不良で議会を休む前の今年の春頃には『電話に出るのが怖い……』と周囲に漏らしていて、何者かに追われていたようです」
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市議の名を利用してコロナで困窮する施設を騙す...本人は関与を否定
現役の大阪府・寝屋川市議でありながら、お縄につく羽目に陥った吉羽美華(よしば・みか)容疑者(42)。彼女が逮捕前に見せていた怯えた様子について打ち明けるのは、ある現役の寝屋川市議だ。
新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した医療機関や福祉施設などを支援する公的融資制度を悪用し、施設側から手数料などの名目で約6000万円をだまし取ったとして、8月1日に福岡県警に詐欺容疑で逮捕された大阪府寝屋川市議の吉羽容疑者。市議の名を利用してコロナで困窮する施設を騙すという許しがたい悪事に手を染めていた。全国紙の社会部記者が語る。
「吉羽容疑者ら男女5人のグループは、独立行政法人の新型コロナウイルス対応支援資金制度を利用するよう十数件の施設に持ちかけ、総額十数億円を詐取した疑いが持たれています。逮捕容疑は2020年7月から12月にかけて、『(吉羽容疑者らの)グループを通せば独立行政法人に返済できなくても責任は追及されない』と虚偽の説明をして、大阪府内の福祉施設から業務委託料の名目で融資金の半分に当たる5940万円を搾取した疑い。吉羽容疑者は市議の名刺を見せ、自身の立場を利用して相手を信用させる役割だったと見られており、取り調べが行われています」
事件発覚の発端は、現金を巡るグループ内の仲間割れだった。
「捜査関係者によると、昨年2月に犯行グループの1人が福岡市内にある銀行の貸金庫から1億数千万円がなくなっていることに気づき、福岡県警中央署に相談。現場の防犯カメラに現金を運び出す吉羽容疑者の姿が映っていたそうです。吉羽容疑者は取り調べに『1円ももらっていない』『巻き込まれただけ』と関与を否定している」(同前)
過去には写真集を出すなど才色兼備の「美しすぎる市議」としてもてはやされた女の素顔を追うと、政治家とはかけ離れた本性が見えてきた。大阪府寝屋川市で育った吉羽容疑者は、幅広くビジネスを展開するデザイン会社の社長だった父親と環境問題のセミナーを手がける団体の代表だった母親との間に生まれた。寝屋川にある実家の近隣住民が語る。