殺害された直子さんの自宅には、事件発生から1年が経過した今も黄色いビニールテープが張られ、ものものしい空気が漂っている。数年前まではこの家で母と同居していたが、母が介護施設に入った後は一人暮らしをしていたという。近隣住民のひとりは直子さんについて、「堅実というか真面目な印象。養子縁組の話は知りませんでした」と驚きを口にする。
凜容疑者はアメフト部出身の体育会系
一方で、凜容疑者はド派手な生活を送っていたようだ。高校時代からの知人は凜容疑者の華麗なる経歴をこう説明する。
「松田(高井凜容疑者)は兵庫県西宮市出身で、関西学院高等部時代はアメフト部に所属していました。高校3年でクオーターバックとして日本代表に選出されたこともあり、関西学院大でもアメフト部に所属していたバリバリの体育会系です。大学を卒業後も大手外資系コンサルファームに入り、その後に直子さんが契約を結んだ保険会社に転職しました。2020年に退職してからは金融系ベンチャーに入り、最近は『FXで稼いでいる』と周囲に吹聴していたようです。家は赤坂の高級タワマン、愛車は黒のランボルギーニ。インスタの写真もモデル風のポーズで、稼いでるなぁと思っていました」
体育系出身の自信満々な性格でプライドが高く、豪遊ぶりを周囲にも見せつけていた凜容疑者だが、保険会社時代の評判はかんばしくなかった。東京での保険会社時代を知る知人は、当時の凜容疑者についてこう語る。
「松田は保険の営業マンとしてはコンサル時代の知人や体育会系のコネで契約を取ることも多く、仕事自体はそこそこの成果を残していたようです。ただ同僚からの評価は最悪でした。いつも言動が上から目線で、年や営業成績が自分より下の相手には本当にキツくあたるんです。契約目前で失敗して後輩が落ち込んでいた時も『こんな仕事ができん理由がわからん、クソやな!』と容赦がない。プライドの塊のような男ですから、自分の成績が落ちて立場が危うくなることだけは避けたかったんでしょうね」