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ハイブランドのバッグを20個以上“推し”にプレゼント

 A子さんの知人が続ける。

「ディオール、シャネル、ルイ・ヴィトン、プラダ、グッチなどのハイブランドのバッグを、私が知っているだけでも20個ぐらいあげていました。他にも、同じくハイブランドのシューズも送っていましたね。

 A子さんが欲しいモノをSNSやライブ配信で伝えると、男性職員から『欲しいの?』とDMが来ていました。A子さん側から言葉で直接返事をすることは禁止なので、いいねスタンプで返事をすると、それを買って毎週のようにプレゼントを渡していました」

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男性職員の“推し”が所属するアイドルグループとそのファンたち 読者提供

 また、男性職員がA子さんに貢いでいたのはモノだけではなかった。

「アーティストの“時間”を買い、本人と1対1でビデオ通話ができるアプリがあるんです。男性職員はそこでA子さんに“課金”し、会話を楽しんでいました。料金は5分で1万円程度なのですが、毎日のように1時間は話していた。単純計算で1日12万円をA子さんとの会話に貢いでいたことになります。

男性職員の住む家の近くの風景。のどかな町で予想外の巨額横領事件となった ©文藝春秋

 私はA子さんからその話を聞き、『普通の人がそんなにお金を使えるっておかしいよ』と言いました。A子さん本人も『何をしている人なのかわからない』と訝しんでいました。ただ、その後のビデオ通話で男性職員は『地主だ』とか『投資をして儲けた』と説明していたようです。いずれにせよ怪しいので、その頃は冗談で『横領とかしているかもよ』と話していたのを覚えています」(同前)

 当初は貢ぐだけで男性職員は満足していたようだが、徐々にA子さんへの追っかけぶりはエスカレートしていったようだ。