統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の文鮮明教祖の隠し子であるサムエル・パク氏が、フリーライター石井謙一郎氏の取材に応じ、文鮮明ファミリーの内実を明かした。

 ソウル市内、漢江のほとりで金色に輝く地上60階建ての「63ビル」。サム氏の祖父は、このビルを建てた大韓生命のオーナーである。当時、大韓生命は国内二番目の保険会社で、祖父はサムスングループの創始者に次ぐ国内2番目の富豪だった。

文鮮明と韓鶴子総裁 ©時事通信社

 統一教会に入信した祖母は、教団に数百万ドルもの大金を寄付し、創設間もない統一教会を財政面で支えた。

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「私の母は、祖母によって統一教会の教えに導かれたのです。父・文鮮明牧師との関わりは1953年、母が17歳のときに始まりました。父が強制的に、母の処女を奪ったのです」

 文教祖は崔一族を支配することで、莫大な財産を独占し、また青瓦台との太いパイプを握ろうとしたという。そうした企みを知った母親が文教祖の下から去ったとき、お腹にはサム氏がいた。アメリカで生まれたサム氏は母から取り上げられ、統一教会のナンバー2だった朴普熙氏の実子として育つ。周囲の人間は、サム氏に出生の秘密を明かさないよう命じられた。