欧米の政財界の有力者を巻き込み、世界に衝撃を与えた性的スキャンダル「エプスタイン事件」。1月30日、この事件にまつわる資料、通称「エプスタイン・ファイル」の一部が新たに公開された。
資産家のジェフリー・エプスタイン元被告(2019年に逮捕・起訴され、同年66歳で死亡)が、私有の島、通称「エプスタイン島」などで未成年の少女たちに金銭を払い、性行為の相手をさせていたとして児童買春で起訴されたこの事件。
公開されたファイルには世界的著名人の名前が多数登場しており、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ、ビル・クリントン元米大統領、そしてドナルド・トランプ現米大統領にも大きな疑惑が向けられている。2月19日は英アンドルー元王子がエプスタイン元被告への機密情報漏えいの疑いで逮捕され、釈放されたが現在も捜査中だと英BBCが報じた。一体、何が起きているのか? 在米ライターの堂本かおる氏が寄稿した。(全4回の4回目/はじめから読む)
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「若い女性なのに、笑っているのを見たことがない」
2月3日、CNNのホワイトハウス特派員ケイトリン・コリンズが、大統領執務室にてドナルド・トランプに質問をした。
「今もまだ正義を得られていないと感じているエプスタインのサバイバー(※)たちに、何を仰りたいですか」
※サバイバー:エプスタインによる虐待の被害を受けた元少女たちは、成人した今、自らを「犠牲者」とは呼ばず、「サバイバー(生き残った者)」と呼び、この問題について声を上げている。
この質問にトランプは怒り、質問には答えず、コリンズを罵倒した。
「(周囲に向かって)彼女は若い女性なのに、笑っているのを見たことがない」
「なぜ笑っていないか分かるか? 真実を語っていないと知っているからだ」
「君は最悪の記者だ。当然だ。CNNの視聴率が低いのは、君のような人間がいるからだ」
この件についてCNNは公式声明を発し、ケイトリン・コリンズは「類まれなジャーナリスト」であり、「真の深みと粘り強さ」を持って報道する人物だとした。コリンズは恐れず、怯まず、トランプに質問を投げ掛けることで知られており、トランプはコリンズに対し、過去にも「フェイクニュースCNNのケイトリン・コリンズ、いつも愚かで下品だ」などと誹謗中傷を繰り返している。
トランプは昨年11月にも、ファイルを公開しない理由を質問しようとしたブルームバーグ・ニュースのキャサリン・ルーシーに向かって、「静かにしろ! 子ブタ」と、常軌を逸した罵倒を行なっている。
