エプスタイン・ファイル公開を巡るトラブル

  2月11日、トランプ政権の司法長官パム・ボンディが公聴会で証言した。ボンディ長官はエプスタイン・ファイル公開の責任者だが、当初、トランプ政権側にとって大きな痛手となる失言をしている。今からちょうど1年前となる2025年2月、ジャーナリストに向かって「顧客リストは今、私の机にある」と明言してしまったのだ。しかし、リストの公開はなされなかった。

 以後、エプスタイン・ファイルの公開を巡って延々と揉めた経緯があり、公聴会でのボンディ長官は神経質になっていた。公聴会の冒頭でこそ「被害者の皆様が経験されたこと、特にあの“怪物”によってもたらされたことに深く同情を申し上げます」とサバイバーへの共感を見せたものの、ボンディ長官はほとんどの質問に答えないだけでなく、質問者に怒鳴り返すことを繰り返した。

 わけても民主党のジェイミー・ラスキン下院議員には「私に何も言うな。おまえは落ちこぼれの負け犬弁護士だ、弁護士ですらない」と、“トランプ話法”の罵詈雑言を投げつけた。ちなみにラスキン議員はハーバード法科卒の法律家である。

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黒塗りにされた「エプスタイン・ファイル」と、ジェフリー・エプスタイン元被告 ©EPA=時事

 同じ公聴会で民主党のプラミラ・ジャヤパル下院議員が、傍聴していた約10人のサバイバーに起立を願い、「いまだに司法省と会う機会を持てずにいる人は挙手を願います」と言うと、全員が手を挙げた。

 続いてジャヤパル議員はボンディ長官に向かい、エプスタイン・ファイルでは黒塗りにして伏せることになっていたサバイバーの名前や住所などをそのまま公開し、サバイバーのプライバシーと安全を侵してしまったことを、振り返って背後に立っているサバイバーに謝罪するよう求めた。

 するとボンディ長官は声を荒げ、「芝居がかった振る舞いに足を取られたりはしない」と言い返した。ジャヤパル議員は再度サバイバーへの謝罪を求めたが、ボンディ長官は「芝居がかっている」と言うのみで、振り返ってサバイバーと対峙することも、謝罪も行わなかった。