加えて、ここ数年の現象でもあるのですが、“名作の復活”が目立ちます。2015年に『おそ松くん』が『おそ松さん』として甦って以降、2017年には『コードギアス 反逆のルルーシュ』『劇場版 はいからさんが通る』『GODZILLA 怪獣惑星』『Infini-T Force』、2018年には『キャプテン翼』『銀河英雄伝説Die Neue These邂逅』『カードキャプターさくら クリアカード編』『覇穹 封神演義』『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』と、往年の名作たちが、続編・リブート・コラボなどさまざまな形で装いも新たに復活していきます。
オリジナル版を観て育った世代が社会で決定権を持つようになり、自分たちで制作したいという情熱が実を結んだ結果ではないでしょうか。彼らと同世代のオールドファンはもちろん、その子どもたちと二世代で楽しむことによって、これらの作品はコンテンツとしての強度をさらに増していくと思われます。
2018年はアニメ業界にとって「配信元年」
アニメ業界全体を見渡したとき、2017年は視聴環境に大きな変革の兆しが見られた年でした。基本的にTVは毎週決まった時間に観るものですが、配信はオンデマンドでいつでもどこでも視聴可能です。そうした利便性もあって、配信でアニメを観る層が増えてきていた中で、2017年の夏、ついにNetflixが日本発のオリジナルアニメの配信を大々的に発表しました。
「TVアニメ」の配信ではなく、純粋な「配信アニメ」が登場するという意味で、これらの作品が配信開始される2018年は、アニメ業界にとって「配信元年」になると言えるでしょう。今後は、そのほかの配信会社も同様の動きをしてくる可能性があります。2017年~2018年は、日本のアニメ界が新たな時代に突入した時期として、のちのち記憶されることになるかもしれません。
最後に、2018年といえば――「アニメージュ」は6月に創刊40周年を迎えます。作品の傾向や業界の変化に対応し、その時々のファンのニーズに合った誌面作りを心がけてきた小誌ですが、「ファンとアニメーションをつなぐコミュニケーションツールでありたい」という想いは変わらず持ち続けています。アニメ雑誌のパイオニアとして、50周年に向けて「アニメージュ」はこれからも走り続けます!