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「女子高生が行く所じゃないなんて言われて…」とある日本人が“米軍ハウス”で暮らす理由

「女子高生が行く所じゃないなんて言われて…」とある日本人が“米軍ハウス”で暮らす理由

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神奈川県大和市 米軍ハウスを守った2人の“救世主”

「私は米軍ハウスが大好きで、壊されそうな物件を見つけては大家さんを探し出して、壊さないでくださいと懇願していたんです」

 そう苦笑するのは厚木基地や座間キャンプに近い、神奈川県大和市の米軍ハウスに暮らす眞鍋三保さん(55)。このカフェも、もちろん彼女が“救済”した物件である。

「私たちが直しますから! と言って強引に借りたものの、どうすればいいものやら。気がつけばカフェの店長に収まっていました」

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FLAT HOUSE cafe(神奈川県大和市中央林間3-16-2神奈川県大和市中央林間3-16-2(☎)046-283-2322(営)11:00〜17:00(要HP確認)(休)不定)︱眞鍋三保さん、長岡 進さん

 借りた当時の物件は、あばら家同然。そんなとき救世主となったのが、眞鍋さんが“親方”と慕う水道屋の長岡進さん(74)だ。

「アメリカ帰りの俺の父は厚木基地の設計事務所で働いていて、看護師の母はメイドもしていた。おかげで幼い頃からアメリカ人の家で遊んでいたから、彼らの家の仕組みはわかっている。最初、素人に喫茶店なんて無理だと叱ったけど、彼女が絶対にやると意固地になってね。気づけば修繕を手伝うようになっていたってわけ」

 

 眞鍋さんたちが、米軍ハウスの解体現場から集めてきた板や日用品で往時を再現したレトロなカフェはテレビ番組にも取り上げられ、それを見てかつての米兵がアメリカから来店したこともある。

 親方が照れくさそうに言う。

「懐かしい米軍ハウスを守ってくれてありがとうと言って、ハグしてきたから驚いたね。そうそう、友人の不動産屋の父は、あのスティーブ・マックイーンに物件を貸していたんだって自慢していたな」

「女子高生が行く所じゃないなんて言われて…」とある日本人が“米軍ハウス”で暮らす理由

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