というわけで、受験戦争で東大を目指すのって、もう古いんですよ。
というか、東大だって2016年度から推薦入試がスタートしました。共通テストの点数は加味されますが、それでも一般入試合格者以下の学力で合格している人がたくさんいます。僕が知っている中では、共通テストで900点中600点、つまり7割以下の成績で推薦合格している人もいました。
7割って、偏差値に換算すると55以下です。東大合格者の半数が共通テストで9割以上取っていて当たり前に偏差値70以上である一方で、推薦入試ではこの成績でも東大に合格ができるのです。この成績は一般入試であれば東大の足切りラインを下回っていて、二次試験を受けることさえできないのに。
一般入試者から見た「推薦合格者」の輝き
こんな時代の中で、それでも一般入試を頑張る意味って、どこにあるんでしょうか?
僕は2浪して東大に合格した人間です。
中学受験に失敗し、私立の中高一貫校に入り、そこから苦労と努力をして、時間はかかりましたがなんとか一般入試で東大に合格しました。
学力を付ける努力をした覚えはありません。姑息な手を使って、予備校の入試分析を知り尽くし、傾向と対策を練り、執念で合格したと思っています。 そんな苦労を繰り返した自分と比較して、推薦合格した友達がどれだけ輝いて見えたことか。
彼女は僕と同じように中学受験に失敗して中高一貫校に行った人でした。しかし僕とは違って、大学受験のことなどあまり考えず、のびのびと生徒会活動を行っていたそうです。そして、高校3年生の10月に、先生から「お前、全然勉強してないけど推薦入試に挑戦してみたらどうだ?」と言われたのだとか。
「共通テストの点数だとお前はダメダメだが、コミュニケーション能力が高いし、いけるんじゃないか?」と言われたその日から彼女は東大の推薦入試のために努力し、合格を勝ち取りました。
共通テストは620点、受験に費やした時間は4ヶ月です。
片や、高校3年間の青春の全てと2年の浪人期間、合わせて5年間で、「東大合格」という限られたステージでしか活かせないような技術だけを身につけた自分。
片や、高校3年間、やりたいことを楽しくやって、遊びながらもいろんなものに挑戦し、社会に出てからも活かせるようなスキルを身につけた推薦合格者。
みなさんだったらどっちと仲良くなりたいですか?
そして経営者だったとして、どちらを採用したいですか?