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福浦監督&井口GM体制で築く5年後の“めちゃ強”マリーンズを妄想してみた

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/10/02
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 プロ野球のペナントレースも気がつけば、シーズン最終戦。2年連続2位の実績を引っさげ、「頂点を、つかむ。」と意気軒昂だったはずのわれらが千葉ロッテマリーンズは、優勝どころかクライマックスシリーズ(CS)にさえ進めず、5位という結果に終わりました。

 0対14という大敗でCS進出の可能性を完全に消し去った夜は、さすがに暗い部屋で一人、テレビはつけたままTHE YELLOW MONKEYの『JAM』を熱唱したくもなりましたが、終わってしまったことをクドクドと考えたって仕方がありません。

 マーティン&レアードの共倒れ、“方程式”の機能不全……などなど、やろうと思えば“戦犯さがし”だっていくらでもできそうな気はしますが、そんなことをしても気持ちはどんより沈むだけ。

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 敗因の分析はすでに来季の続投要請が報じられている井口資仁監督はじめ首脳陣のみなさんがしっかりやってくれると信じて、ファンたるぼくらはもう少し先、たとえば、5年後ぐらいにめちゃツヨになっているマリーンズの未来予想図でも夢想しながら、長いオフを「ととのえて」いきたいと思うのです。

そろそろ生え抜き首脳陣と一緒に戦うペナントも観たい頃

 なにしろ5年後といったら、安田尚憲、藤原恭大、山口航輝らの“黄金世代”がそろって27~28歳と、選手としては、まさに脂が乗りきる時期。想像するだけでもうワクワクが止まりません。

 キャプテンシーを発揮してチームを引っぱるのは、ちょうど30歳となる髙部瑛斗、佐藤都志也あたり。“人生18年目”松川虎生に至っては、5年後でもまだまだ若手の24歳。かの古田敦也さんがプロ入りしたのとちょうど同じ年齢にして、間違いなくいま以上の貫禄と風格を上乗せしているわけですから、そこからはちょっとしたチート感さえ漂います。

 では、そんな選手たちを束ねる監督は誰か。これはもう、満を持しての福浦和也、一択でしょう。

 結果を出してくれるなら誰がやってくれてもいいですが、そろそろ生え抜き首脳陣と一緒に戦うペナントも観たい頃。“マシンガン打線”で球界を席巻した98年日本一メンバーが多く集う今季DeNAの躍進ぶりも、選手&ファンのチームへの思い入れの強さが生む一体感と無関係ではないはずです。

 次に“福浦神”を支える面々ですが、ヘッドコーチには社会人野球の強豪セガサミーで監督も務めた“ファンタジスタ”初芝清を激推ししたい。かの落合博満さん以降では、チーム唯一の打点王。自宅地下の防音ルームでメタルを聴きながらファミコン時代のドラクエに興じる初芝さんもお茶目でわりと好きですが、その卓越した打撃技術はぜひとも直接、後進に伝授してほしいと思うのです。

 それと、今季は楽天の育成部でファームディレクターを務めるサブローも、ふたたびピンストライプを着てもらいたいOBのひとり。弱かったロッテがどの時代もそれなりに“打てる”チームだったのは、いまにして思えば“名伯楽”高畠導宏さんの教えのおかげ。その薫陶を受けた最後の“直弟子”でもある彼には、仙台の「大村三郎」ではなく、幕張の「サブロー」としてイズムを注入していただきたい。

 そこに、“ジョニー”黒木知宏や、古巣の日本製鉄かずさマジックを都市対抗へと導いた渡辺俊介らが投手コーチとして加われば、これはもう夢いっぱい、ロマンだらけ。ニュージーランド代表投手コーチや琉球ブルーオーシャンズ監督など異色の経験を重ねてきた清水直行が「やるしかないねん」スピリットを若手に叩き込んでくれる、なんて未来も悪くありません。

ロッテ時代の渡辺俊介 ©文藝春秋

 もちろん、ダイエー時代を超える、14年もの長きにわたってマリーンズのために骨身を削ってくれた井口監督も最大の功労者のひとりですから、退任後すぐにホークスで入閣、なんてことにでもなったらちょっと気持ちの整理が追いつかない。

 今季のリベンジは数年以内にきっと果たしてくれるとして、来たるべきときにはGMとして、その力を存分に発揮してもらえたらと思っています。だって、その人脈の広さやフロントとの折衝にも長ける政治手腕はどう考えても、GM向き。15年シーズンに話題を呼んだ“選挙風”日程ポスターでも、他の誰より政治家然としていましたしね。

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