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2018/01/09

でっかいオヤジの星野さんが好きなのだ

 タイガースが18年ぶりに優勝することになった2003年のキャンプは、桧山の「でっかいオヤジを胴上げするぞ」という一言で始まった。FAでカープから移籍してきた金本も「関西での父親代わり」と言っていたし、よく怒られていたという藤本は「大黒柱みたいな人」と述べている。

 同年9月15日、サヨナラヒットでマジックが1になった試合、赤星を抱きしめ揉みくちゃにする星野さんの笑顔は、もう本当にお父さんみたいだったし、今でもあのシーンを見ると私は必ず泣いてしまう。結局私は困ったことに、でっかいオヤジの星野さんが好きなのだ。「ファンに贅沢させてやりたいな」と言って目を細めていた星野さんが、大大大好きなのだ。

お父さんのようだった星野仙一氏 ©文藝春秋

 私はこの原稿を、胃を痛めながら書いている。こんな中途半端なことを書いて怒られるんじゃないかとか、故人に対して失礼じゃないかとか、あっちやこっちから言われることを考えると胃がキューッとなってそのまま穴が開きそうだ。仕方がないからセンロックでも飲もうか、なんて考えながら、私はあることを思い描く。

 たとえば橋を渡っていたら、向こうから星野さんが歩いて来たとする。目が合った瞬間、あなたの中の星野さんはどんな反応をするだろう。私の中の星野さんは、「あ~しんどかった」と言って、くしゃくしゃの顔で笑う。タイガースを18年ぶりの優勝に導いたときの、インタビューの第一声と同じである。

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