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「あいつの生き方そのもの」

「数カ月前に赤坂の整体で会った。彼は腰の大手術をしたんです。以前は『5歩くらい歩くとキツいんだ』と話していた。猪木は悪いところを庇いながらやってきた。人の前では弱音を吐かないのが、あいつの生き方そのもの」

 猪木氏の右腕として、かつて「猪木vsアリ戦」を実現させた、元新日本プロレス専務取締役・新間寿氏も言う。

「あの人のプロレスはすごかった。ある時『本当なら、こんな闘いをしたら10年持つかどうか。俺はそれだけ真剣にやっている』と。それを30年以上も続けた。相当無理をしたと思う」

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 馬場とともに昭和のプロレスを背負い、ストロングスタイルで体をいじめ抜いてきたダメージの蓄積は計り知れない。

1976年には日本武道館でモハメド・アリと戦った

 今夏に参議院議員としての任期が満了するが、痛めた体を押し、次も出馬するのか。国民民主党の玉木雄一郎代表はこう語る。

「選挙の公認については猪木さんと正面から話していません。有名な方ですし、プロレスファンとして出ていただきたいという思いはあるが、本人の意向を尊重してということになる」

 猪木氏の体調や進退について代理人に問い合わせたところ、以下のような回答だった。

「(馬場追善興行でリングに上がらなかったのは)『夢のオールスター戦』(1979年)で、次にこのリングに上がるときは対戦するときです、と約束した。それを大事にしているから上がらなかっただけです。心配はいらないです」

 76歳となった燃える闘魂が、今一度“国会に卍固め”をかけるのか、あるいは赤い闘魂タオルを投入するのか――。泉下の馬場さんも、大いに気になっているに違いない。

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