「大谷は何を考えているのか分からない」
エンゼルスのメリットは計り知れない。水面下で球団の売却交渉が進む中で、大谷の来季の“お値段”が確定したからだ。
「懸案だった大物選手の契約がまとまっただけでもプラス。しかも今の大谷なら3000万ドルは高くはない。新オーナーに大谷は優良な資産と映るはず」(同前)
3000万ドルは来季のMLB全体では現時点で16位に過ぎない。新オーナーはリーズナブルな金額で、大谷がフリーエージェント(FA)になる来年以降の契約延長交渉に臨む権利を手にできる。エンゼルスは大谷との契約をウリに、売却交渉を有利に運べそうだ。
さらに、大谷の年俸がお値打ちに決まったことでトレードも成立しやすくなった。
「今オフに入ると同時に他球団はエンゼルスとの具体的な交渉に臨める。12月の(移籍交渉が本格化する)ウインターミーティングまでに時間はたっぷりある。大谷を残そうが出そうが新オーナー次第で、エンゼルスはこれも球団売却交渉でセールストークに利用できる」
一方、大谷が得たメリットに、前出の代理人は「オフのトレーニングに専念できるようになったことぐらいしか思い浮かばない」と言う。
「これまでは、シーズン中は試合に集中したいから契約の話を持ってこないで欲しいというのが大谷の意向だった。オフなら腰を据えて契約に向き合うのかと思っていたが、そうではなかった。来春のWBCに向け、より万全を期したい気持ちはあるだろうが、WBCの結果は大谷のFA契約を左右しない。既に大谷の評価はピーク。本当に大谷は何を考えているのか分からない」
バレロがボラスの大谷強奪の動きに危機感?
しかし一つだけ、大谷の代理人ネズ・バレロ氏が抱える「事情」が考えられるという。
大谷の渡米時から代理人を務めるバレロ氏は辣腕とは言い難く、二刀流で活躍したこの2年が850万ドルという破格の安さの契約になったことについては「失態」と嘲笑されるほどだ。