1ページ目から読む
2/2ページ目

麻生太郎が読む「次は岸田と茂木が戦って…」

 河野の総裁選での勝敗を左右するのは、何といっても所属する麻生派の動向だ。河野側近も「総裁選出馬の際に核となるのは、非主流派ではなく麻生派でなければならない」と認める。そこで鍵を握るのは領袖で副総裁の麻生太郎だ。ただ麻生は、「総裁の椅子は自分で勝ち取れ」が口癖で、出馬を止めはしないが、自ら派閥をまとめてお膳立てしようとはしない。

麻生太郎氏 ©文藝春秋

 そんな麻生は派閥議員に「次の総裁選は岸田と幹事長の茂木敏充が戦って岸田が勝つ。その次が(河野)太郎だろう」との見通しを語っている。だが、万が一、岸田が退陣を余儀なくされる場合のシナリオは語っていない。

茂木敏光氏 ©文藝春秋

 前回の総裁選の後、麻生は河野に「人付き合いに問題がある。仲間を作れ」と注文した。そこで河野は最近、派内外を問わず自民党議員との夜の会合を積極的に組んでおり、「すでに年内の予定はほとんど埋まっている」(河野周辺)。ただ、酒を飲まない河野は、「2時間座って話を聞いて、じゃあそろそろと味気なく立ち去っていく」(麻生派若手議員)と評判は芳しくなく、効果のほどは疑問だ。河野周辺は「次の総裁選に向けた最大のネックは“玄人受け”」と語る。国民人気だけでは総理の座は掴めない。いかに党内の警戒感を解き、河野総裁を待望する雰囲気を醸成できるかが課題だ。(文中敬称略)

ADVERTISEMENT

月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」全文は、「文藝春秋」2023年6月号と、「文藝春秋 電子版」に掲載されている。

文藝春秋

この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
『ポスト岸田』3人の勝算と誤算