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「兄ちゃん、いま女房がいないんだよ…」急逝した仲本工事さんが落ち込んだ声で先輩役者に打ち明けた“1カ月前の相談電話”

「兄ちゃん、いま女房がいないんだよ…」急逝した仲本工事さんが落ち込んだ声で先輩役者に打ち明けた“1カ月前の相談電話”

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「仲本さんのやさしさを忘れたことはありません」

 こう語るのは、「救急戦隊ゴーゴーファイブ」(99年)、「仮面ライダー555」(03年)で特撮ヒーロー役を演じた俳優の原田篤さん(44)だ。現在は地元・愛知県で飲食店「知多原共同店」を営んでいる。原田さんが店を開くきっかけとなったのが、仲本工事(本名・仲本興喜)さん(享年81)だった。

 急性硬膜下血腫のため仲本さんが亡くなったのは10月19日午後10時22分のこと。国民に愛された「ザ・ドリフターズ」の仲本さんの急死の一報に衝撃が広がっている――。(前編から読む)

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仲本工事さん(三代純歌のSNSより)

さりげなく「はい、まかない!」

「僕が20代前半の頃に役者の先輩に連れられて、仲本さんのお母さまがやっていた渋谷の居酒屋に行ったんです。込み入った話をしたわけでもないのに、仲本さんがさりげなく『はい、まかない!』と料理を出してくれたのを覚えています。居心地がよく、それから何度も通わせていただき、生活が苦しい下積み時を助けてもらいました。

 仲本さんはいつもカウンターで携帯ゲームをしていて、僕たちが顔を出すと多くを語らず、いつものようにまかない飯を振舞ってくれました。まかないはいつも違う料理です。時にはザ・ドリフターズのTシャツを着たり、お母さまのことを『うちの看板娘です(笑)』なんて言って和ませてくれました」(原田さん)

 10年後、原田さんが都内に飲食店を開くと、仲本さんがふらっと来店し、再会を果たしたという。