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声優は一時的な仕事だと思っていた
『魔女の宅急便』は日本アカデミー賞で特別賞を受賞しました。授賞式には本来は宮崎監督が出席するところですけど、なぜか(高山)みなみさんと僕で「行ってくれ」ということになりまして。
僕はまだ小さなスーパーでアルバイトをしていて、キキのセリフではないですけど、パーティーといっても着ていく服もなかったんです(笑)。慌ててバイト代をはたいてとりあえずスーツを買いました。バイト先にも声優をやっていることは話してなくて、「日本アカデミー賞に出席することになったので、休ませてください」と言ったら、「お前、何を言っているんだ? 大丈夫か?」と言われました(笑)。
その頃はそんな感じで、自分がそれ以降も声優として歩んでいくとは思っていなかったんです。どちらかといえば、年に3本くらいやっていた劇団の舞台に没入していて、声優は一時的な仕事。
『魔女の宅急便』も、役者人生の中の、思い出みたいになるんだと思っていました。
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