Q 「質問権」「解散命令」ってなに?聞き慣れない言葉が飛び交う宗教団体問題
「旧統一教会問題」で、「質問権」や「解散命令」という聞き慣れない言葉が飛び交っています。ニュースなどの解説も見たのですが、文部科学省や裁判所など、関係するところが色々出てきて「なぜそこが担当しているの?」とよくわかりません。結局、質問や解散命令をするとどんなことが起こるのでしょうか?(20代・女性・学生)
A なんで文部科学省が登場するのかというと…
全国に組織がある宗教法人を管轄するのは文化庁です。都道府県内に活動が留まっている宗教法人を管轄するのは都道府県庁です。旧統一教会は全国で活動していますから、管轄は文化庁になり、文化庁は文部科学省の中の組織ですから、文部科学省が登場します。
「質問権」というのは、宗教法人法という法律で定められている手続きで、宗教法人の活動が法律に違反ないし抵触しているような疑惑が生じた際、文部科学省が宗教法人審議会の意見を聞いた上で質問することができることになっています。
なぜ宗教法人審議会の意見を聞くのか。これは、戦前に政府が宗教団体を弾圧した歴史の教訓です。信教の自由を守るため、役所が直接質問をするのではなく、第三者の学識経験者で構成する審議会に客観的な立場で判断してもらおうという趣旨です。
宗教法人を解散させる場合、文部科学省に解散命令が出せるようにしてしまうと、これもまた宗教弾圧に問われかねないリスクがあるため、公正な立場である裁判所に判断してもらおうということになっているのです。
では、解散したら、どうなるのか。宗教法人ではなくなってしまいますが、メンバーの一人一人が独自の活動をすることは可能です。ただし、宗教法人のような免税の特権はなくなり、税務署が所得について把握し、税を納めさせることができるようになります。