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「毎秒毎秒、膣に出刃包丁ぶっ刺されてるような…」出産直後の漫画家・峰なゆかを苦しめた、“大人が大泣きするほどの激痛”体験

「毎秒毎秒、膣に出刃包丁ぶっ刺されてるような…」出産直後の漫画家・峰なゆかを苦しめた、“大人が大泣きするほどの激痛”体験

峰なゆかさんインタビュー#2

note

「イクウーマン」としてイキる予定だったのに…

――ところで、峰さんは「イクウーマンになりたい」って漫画に描かれてましたね。

 初めてのオムツ替えもミルクあげるのも全部チャラヒゲに任せて、私はたまにオムツ替えするのを自慢する「イクウーマン」としてイキる予定だったんです。

――「イクメン」の女性版?

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 そうです。Twitterに育児の格言を書き込んだり、「お弁当なんか3秒で作れるだろ」「世の中の母親は要領が悪いんじゃねえの?」って言ったりする自称イクメンがいるじゃないですか。ああいうイクウーマンになりたかったんです(笑)。

 でも、コロナの影響でチャラヒゲが出産に立ち会えなくてしばらく面会も禁止だったので、初めてのオムツ替えもミルクをあげるのも私がやることになってしまって、夢のイクウーマンにはなれなかった……。

©文藝春秋

――でも、チャラヒゲさんは有言実行で1年間の育休を取得されたんですよね。まだ世間的には珍しいことなんじゃないかなと思ったのですが……。

 ネガティブな反応はめちゃくちゃありましたね。「男が育休とってもやることないよ」とか「資格でも取るの?」って言われたりしたそうです。

――え、育休なのに資格?

 そうなんです。特に女性からの当たりが強かったみたいです。「やることないよ」「何にも役に立たないよ」みたいに言われてチャラヒゲは落ち込んじゃってましたね。

――せっかくやる気になってるのに、そんなこと言われたら落ち込んじゃいますね。

 その人の夫が役に立たなかったから「男=役に立たない」って思ってしまってるのかもしれないけど、違う家庭もあるわけじゃないですか。実際、チャラヒゲは超役に立ってますよ。

当たり前のように母親が担当する「平日のガーディアン」

――出産から2年半が経った今はどのように役割分担してるんですか?

 今はざっくり言えば、朝がチャラヒゲで夜が私って感じですね。平日はそれでいいんですけど、私は休日も夕ご飯をあげるのと寝かしつけしかやらないんですよ。そうするとチャラヒゲの負担がめちゃくちゃ大きくなるんです。そのことがチャラヒゲは不満みたいですね。

チャラヒゲさん 『わが子ちゃん』2巻より

 でも、平日に保育園から急に「熱が出ました」って呼び出しがあった時は、いつも私が対応するんですよ。ラジオ番組の出演直前に幼稚園から連絡があったなんてこともあります。うちではその仕事を「緊急時のガーディアン」って呼んでるんですけど、平日のガーディアンは私がやってるんだから、休日のガーディアンはやってほしいというのが私の気持ちですね。

――会社に勤めている人よりは時間に融通が利くから、平日のガーディアンは峰さんがやってるんですね。とはいえ、仕事はしているわけですから、大変さは変わらないですよね。

 そうですね。いつ手足口病なんかが襲ってくるかわからないので、とにかく1週間分は仕事を前倒しするつもりでやってます。

 まあ、呼び出しって言ってもそんなに頻繁にあるわけじゃないんですけど。でもそういう緊急時の呼び出しって、当たり前のように母親が対応する場合が多いですよね。

――確かに。じゃあ、チャラヒゲさんのように育児を当然の仕事として取り組む男性との子育てでも、やっぱりいろいろ難しいことはあるんですね。