2019年、親から授かった名前を18歳で「王子様」から「肇(はじめ)」に改名した赤池肇さん(21)。Twitter で「名前変更の許可が下りましたァー!!!!!!!!」(※現在アカウントは削除済み)と改名を公表するとリツイートは10万を超え、大反響を呼んだ。

 彼は、どのように元の名前で生き、なぜ改名することを決めたのか。21歳になった赤池さんに改名に至った経緯や両親の反応などについて、詳しく話を聞きました。(全2回の1回目/続きを読む)

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17歳の時に改名手続きを開始

ーー赤池さんが改名してから3年が経ちました。改名したことで生活に変化はありましたか。

赤池 劇的に変化したことは特にないんです。改名した時も、今すぐに名前を変えたいほど嫌な思いをしていたというよりは、将来のことを考えた結果だったので。

ーー「将来のこと」というのは?

赤池 名前で損することがこれから増えるんじゃないかと思って。学生時代は、「こんな名前をつける親なんて……」と親のことを悪く言われることが多かったけど、大人になるにつれて自己責任というか、「この人、なんでこんな名前なんだろう」って僕自身に批判が向けられるんじゃないかって。

 就職や結婚をする時に、もしかしたら名前が原因で嫌な思いをするかもしれない。改名するなら早い方がいいと思って、17歳の時に手続きを始めました。

赤池肇さん 撮影時期は2020年3月 ©読売新聞社

両親に改名したことを伝えると…

ーー元の名前はお母さんが付けられたそうですが、反対はなかったのでしょうか。

赤池 事後報告でした。改名する前に相談したら絶対に反対されるだろうって思って。「名前変えたよ」って伝えた時は案の定号泣されましたし、「なんでなの?」って責められました。

 でも、自分の名前だから僕に名前を変える権利があると思っていたので。法律でも15歳以上であれば親の同意なしに改名することができると決まっています。もちろん改名の理由など、きちんと納得できるものがあればですが。

ーーお父さんにも伝えたのでしょうか。

赤池 父にも改名した後に報告しました。喜んでくれましたね。「やっと変えたんだね。よかったね」って。僕の名前は母が名付けて母が1人で出生届を提出したので、父も事後報告だったみたいなんです。両親は僕が2歳の頃に離婚して、僕は母の方についていったんですが、父とは今でも月に数回程度会っています。父も結構、僕のことを気にかけてくれているみたいで。