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 また、値段を見ずに商品をどんどんカートに入れている人も容疑が疑われる人です。多くの人は一つ一つ値段をチェックしながら買い物をするのが通常です。しかし大量窃盗を目的にしている人は商品を吟味することなく、松坂牛やビールといった高額商品をかたっぱしからカートに入れていきます。しかも同じものを何個も何個も。彼らはやはり一般の買い物客とは異なる雰囲気を放っているものです。

 そういう意味では買い物用のメモを持って商品を選んでいる人は安全な存在に見えます。ですがこれも万引きの悪質化か、そのメモがカモフラージュという場合もゼロではありません。商品を見ているフリをして、店員の位置や店内の人通りをチェックしているのではないか?――Gメンの中には買い物客の視線の動きで怪しい人物を特定している人もいます。

万引きをする瞬間、人は同じ顔になる

 あまりGメンの手の内を明かしてしまうと、営業妨害として訴えられてしまうかもしれないのでこのあたりにしておきましょう(笑)。ただ、彼女たちが話した言葉で非常に印象的だったものがあります。これは互いに接点のない何人かのGメンが異口同音に言ったので、きっと真実なのだと思います。

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 それは子どもでも老人でも、万引きをする人は万引きをする瞬間、同じ顔になるということです。

 ある人は、それは目が鋭くなって、すごく意地悪な表情なのだと言いました。猜疑心と罪悪感と欲望の狭間でいざ悪事に手を染めた瞬間、人は誰もが同じ“悪い顔”になるというのはなかなかゾッとする真実だと思いませんか?

 万引きGメンはそうした人の負の側面を見つめ続けている存在なのです。

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