自分でいいように解釈して逃げるというね。俺、どんなことに対してもそういうことをするタイプの人間なんで(笑)。
「尋常じゃない」病院で聞かされた答えは…
ーー貧血など、お腹以外の不調はありましたか。
桑野 手術する1年くらい前かな。たまにクラクラきて「あぁ~」となってました。二日酔いかなとも思ってたの。2020年のコロナ禍に入ってからは、体が受け付けなくなったのか、酒も飲めなくなるんだけど。
柴田マネージャー ステージに上って、アンコール前に引っ込んでくるじゃないですか。それまでは一拍置いて、水を飲んで、またステージに上ってたんですよ。がんがわかる直前は、座り込むようになっちゃって。
もうフラフラの時もあって、背中をさすりながら「もう病院に行ってくださいよ」「行く行く」なんて会話したのを覚えてますね。トランペットを吹きますからね。そもそも息が上がることはありますけど、しゃがみ込んで変な汗のかき方もしていたので「尋常じゃないな」と思って。
ーー立っているのも辛くなって、2020年9月23日に病院で内視鏡検査、24日にCT検査を受けられ、30日に検査結果を伝えられたと。
桑野 そこに至っても、まだ楽観視してたんだよね。本当にヤバかったら、そのまま入院させられるだろうって。結果が出るまで1週間と聞かされて「そんなに間を開けるってことは、大丈夫なのかな?」とかね。
後からさらに詳しく調べてステージ3bだと判明したんだけど、最初に先生からは「ステージ3と4の間ですね」って。驚かせないようにしてくれてるのか、優しい口調なんだよ。
「まだ大丈夫ですよね。間に合いますよね?」って先生に聞いたら「う~ん、やってみましょう」という返事。けっして「大丈夫です」とは言ってくれないわけ。しかも肛門の近くにでっかい腫瘍があって、それが腸をバッチリ塞いでいる状態の写真も見せられてるから、さすがにもう楽観視なんかできないのは自分でもわかりましたよね。
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