ラッツ&スターのメンバーであり、『志村けんのだいじょうぶだぁ』への出演を機にタレントとしても活躍する桑野信義(65)。
2020年9月にステージ3bの大腸がんを宣告された彼に、過酷だった抗がん剤の副作用、15時間におよんだ手術、一時的につけることになった人工肛門などについて、話を聞いた。(全3回の2回目/発覚編から読む)
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「リーダー」鈴木雅之さんへの報告
ーー2020年9月23日に病院で内視鏡検査を、24日にCT検査を受けられ、30日に大腸がんとの診断結果が。そこからどれくらいで、鈴木雅之さんに知らせましたか。
桑野 コロナで会えないからLINEで報告したんだけど、すぐにはできなかったよね。俺としては2021年の4月から始まるラッツ&スターの40周年ツアーに出たいけど、その前に手術をするから。そのあたりも含めて、なんて報告したらいいんだろうって。
いつぐらいにリーダーにLINEしたのかな。(スマホを取り出して)ちょっと見てみるね……。あ、報告したのは2020年10月5日だ。10月4日にお姉ちゃん(鈴木聖美)と毎年やってるライブに出ていて、その報告もしてるね。
「大腸がんだったことが判明しました。先生やみんなに頼み込んで、お姉ちゃんのライブはやらしてもらいました。今回も絶対に戦いに勝って帰還します」って書いてますね。「リーダーともう一度ステージに上がりたいです」「明日からしばらく入院します」って。
リーダーは「大丈夫だよ、治るから」「ずっと待ってるぞ」「お前なら乗り切れる」って返してくれて。リーダーには似合わない可愛いスタンプも送ってくれるんだけど、それくらい心配してくれてるんだなとは感謝したよね。
で、10月6日に入院してまた細かく検査して、20日から抗がん剤を打ち始めたんです。抗がん剤でがんを小さくしてから、手術でがんを切除するという治療方針だったんで。
「俺は大丈夫」と思っていたが…抗がん剤の副作用
ーー抗がん剤がたいへん辛かったと仰っていますね。
桑野 抗がん剤投与についてのパンフレットに、指先がしびれたり冷たくなったり、味覚が変わってくるとか、副作用の説明が書いてあってね。それを読んでも「俺は酒に強いから抗がん剤も大丈夫だ。副作用なんて出ない。出ても、軽いはず」って変な自信があったの。なんでそんなこと思ってたんだろうって感じなんだけど(笑)。