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「冷たいものは絶対に飲めない」「爪の色も黒っぽくなって…」大腸がんを明かした桑野信義が語る、つらかった“抗がん剤の副作用”

桑野信義さんインタビュー#2

2022/12/27

genre : エンタメ, 芸能

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ーーいまは外しているわけですが、人工肛門をつけていた間に不便さを感じたことは?

桑野 ないですね。人工肛門のことを話すのもまったく恥ずかしくないし。自分がつける側になって、世の中には人工肛門の人がいっぱいいることがわかったし。20万人くらいいるんだって。多いよね。

 あと、お尻から出すより楽かも。だって、勝手にこっち(パウチ)へ出てるんだもん。トイレに行きたいっていう気持ちがまったくない。でも、たまーにオナラみたいにブーブー鳴ることがあるのよ(笑)。

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ステージ復帰したが…「再発しない保証なんて、どこにもない」

ーー2021年4月からのラッツ&スターの40周年ツアー参加は、術後の様子を見なければいけないこともあって叶わず。でも、7月7日の大阪・フェスティバルホール公演でステージ復帰が叶いました。

桑野 退院から2週間くらいした6月12日に、中野サンプラザでメンバーと会ってリハーサルや衣装合わせをしたんですよ。みんなと会うのは1年2ヶ月ぶりだし、その間に病気もやってるから、ウルッときたよね。

©三宅史郎/文藝春秋

 で、退院から2週間といっても手術後25日目だったからさ、メンバーもスタッフも気を使って椅子を用意してくれていて「座んなよ」って。リーダーも「おまえ、本当に吹かなくていいや。トランペット吹いてる真似だけでいいから」って言ってくれるんだけど、そこはリハーサルだからさ(笑)。「いやいや、来たからにはやりますよ」と吹いてみたら、思ってたよりもちゃんと吹けたんですよ。みんなもそう思ったみたいで、びっくりしてたよ。

 いま考えると7月のステージは立ってるのがやっとだったけど、やっぱりなんともいえない感動があったよね

ーー寛解を迎えるのは?

桑野 3年と5ヶ月後かな。でも寛解だからね、完治なわけじゃない。しかも、俺は抗がん剤の副作用がつらすぎたので抗がん剤治療を途中でやめちゃってるから。正直、怖いは怖いですよ。再発しない保証なんて、どこにもない。それに俺はものすごく弱虫だから。

©三宅史郎/文藝春秋

「病は気から」なんて言葉は嘘だと思ってたし、抗がん剤治療をやらないとダメだとも感じてたの。だけど、生活習慣、食生活、気持ちを変えてさ、明るく楽しく生きることで再発を防げるんじゃないかなって。

 昔から野菜が大嫌いでカボチャなんか間違っても食べなかったんだけど、いまはカボチャを煮て食べてるもん。模範囚というか優等生みたいな生き方してますよ。家族が起きてくる前にスムージーと生姜スープを作って飲んで、午前中にウォーキングしてんだよ。昔の自分を考えたら、ありえないよね。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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