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「冷たいものは絶対に飲めない」「爪の色も黒っぽくなって…」大腸がんを明かした桑野信義が語る、つらかった“抗がん剤の副作用”

桑野信義さんインタビュー#2

2022/12/27

genre : エンタメ, 芸能

note

 抗がん剤の副作用を和らげるステロイドも先に打っていたのもあって、そう思っちゃったんだろうね。

ーー副作用はすぐに?

桑野 その日に出たね。もう、打ってるそばから体が冷たくなってくる。凍ってくるというか、アイスノンを押し付けられている感じ。だから、何回目かの時には湯たんぽみたいなのを腕に巻いて投与してた。冷たいものは絶対に飲めない。飲んじゃいけないんじゃなくて、冷たいものは喉が閉まっちゃって飲めないんだよ。だから、温かいお茶を飲んでた。

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 いまだに副作用は少し残っていて、フローリングの部屋を裸足で歩くと氷を踏んだような冷たさで「わ、冷てぇ!」とビクッとなる。足先のしびれもあるしね。

 肌もガサガサになるから、病院から出してもらったクリームをずっと塗って。爪の色もちょっと黒っぽくなっちゃってね。

©三宅史郎/文藝春秋

右か左か? 人工肛門の位置を確認したワケ

ーー抗がん剤でがんが小さくなって、切除の手術を受けたのが2021年2月5日。手術後に人工肛門となったそうですが、これは決まっていたことだったのですか。

桑野 肛門の出口と腸をつなぐ道の上にがんができていて、リンパにも転移していたんです。いきなり手術をすると、がんの範囲が大きいから道の部分までゴソッと多めに取らなきゃいけなくなるので、肛門を塞ぐしかない。「それは嫌だ。なんとかしてください」と。そこで抗がん剤でがんを小さくして取れば、残せるとこも多いから肛門を塞ぐこともないのでチャレンジしてみましょうって。

©三宅史郎/文藝春秋

 だけど、どうしたって一度は人工肛門にはなりますよと。なぜかというと、手術した跡って傷口みたいにデリケートで、患部は肛門付近だから大腸菌とかで他の病気になるかもしれない。それを避けるために人工肛門にするんだって。

 ただ、手術後に目を覚まして、右側に回腸を使った人工肛門がついてたら外せるけど、左側に結腸を使った人工肛門がついてたら一生外せないと思ってほしいって言われてね。どっちにつけるかの判断は、手術で開けてみて、どこまで転移してるか見ないとわかんない。