勇気を出して「ロッテ浦和球場」へ
ただ気になる球団があった、それが千葉ロッテマリーンズ。登校中、下校中、出勤中、帰宅中、いつも乗る埼京線の車窓に映る『ロッテ浦和球場』。行ってみようかな、行けないな。でも勇気を出して一度行ってみた。年1回二軍の試合を観に行くのが、半年に1回、3ヶ月に1回のペースに上がっていく。期待の新人、復活を期し調整中のベテランを見ていくうちに、どんどん愛着が高まっていく。そしてロッテはどんどんアニメやコミックとコラボを進めていく。
「『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』とオタク系だけではなく、果ては『漫☆画太郎』との謎のコラボをしたり。何だこの球団は!? と思いましたwww」
やっぱり野球は面白い。やっぱり野球が好きだ。千葉ロッテも面白い。千葉ロッテが好きだ。好きなんだ。そして昨年3月、打ち込んでいた競技で怪我をしたタイミング、会社が変わったタイミングで、大好きな“アイマスとパ・リーグ”がコラボを発表したのだ。
野球部時代に好きなのを隠していたアニメは、今やクールジャパン、日本が誇れる文化。大好きな野球と大好きなアイマスがコラボした。もう田中さんがプロ野球観戦に行かない理由はない。もう一人じゃない。“高槻やよい”や“諸星きらり”の2人もいる。10年以上ぶりの、一軍観戦が始まった。
「“高槻やよい”は大家族の貧乏キャラクターなんですが、まさかロッテまで最下位で借金生活するとは。そこまでコラボしなくて良いですwwww。でも、久しぶりの野球観戦は本当に楽しかった。球場で同じ“アイマスファン”と写真も撮ったりしますよ」
「統一された応援は、アニオタのライブも一緒」
田中さんは観戦復帰1年目ながら、果敢に私設応援団のいる“ライトスタンド”にも飛び込んだ。千葉ロッテの外野といえば、熱量が高く、一体感もあることで有名。応援ほぼ未経験で不安はなかったのだろうか?
「統一された応援は、アニオタのライブも一緒です。むしろアニオタのほうが厳しいレベルですwwww。ルールとマナーを守れば、当たり前に共存できると思います。ロッテ外野の皆さんは優しいですから」
外野応援はユニフォームが必須。田中さんは2017年度版のユニフォームは全種類揃え、さらに“高槻やよい”、“諸星きらり”のコラボグッズも全種類購入。特にタオルは球場用、鑑賞用、保存用の3枚も買っている。この1年でお金を落としに落としまくっている。
「アニメは“幾ら儲かったか”で第2シーズンをやるかが決まる。オタクはお金を落とす重要性を知っているんですよ。僕は来季もアイマスとコラボして欲しいから、買いまくってますwww。もちろんコラボせずとも、ロッテの応援は続けますよ!」
ルールとマナーさえ守れば、誰にだって野球を応援する権利はある。迫害するヤツのほうが、出ていくべきだ。みんなちがって、みんないいのだ。来季もサラリーマン、OL、主婦、無職、子ども、アニメオタク、そしてアニメキャラまで。二次元、三次元が共存しながら、全員が優勝に向かって声援を送り続ける。
◆ ◆ ◆
※「文春野球コラム ウィンターリーグ2017」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/5944 でHITボタンを押してください。