「創業100周年を迎える文藝春秋を自由に取材してほしい。ずっと“取材される側〞だった香取さんだからこそ思うこと、知りたいことを、率直にぶつけていただけたら」
こんなオファーに、香取慎吾は「なんでも聞いていいんですね」と笑みを浮かべると、11月末のある朝、株式会社文藝春秋にやって来た。香取の来訪は社員には事前に知らされているが、「どんな質問をするか」はその場にならないとわからない――。
『週刊文春』編集部へ訪問
12月10日夜、文藝春秋100周年オンライン・フェスの特別企画として配信された「カトリガキク ワンハンドレッドクエスチョンズ!」(株式会社文藝春秋YouTubeでアーカイブを配信中)。
地下の巨大資料室で古い蔵書のケアをする担当社員から、創業者である作家・菊池寛が100年前に創刊した『文藝春秋』の現・編集長、さらには『週刊文春』編集長、株式会社文藝春秋の社長まで。緊張の面持ちの面々が、香取に質問されるとたちまちリラックスしていく様子はSNSでも話題となった。
中でも、視聴者の注目を集めたのは、『週刊文春』編集部への訪問。
取材に来られるのにお断りするのは、さすがに申し訳ない
「はじめまして、ですか?」
机に向かう編集部員に、こんなふうに声をかける香取。言うまでもなく、この編集部には、かつて香取を張り込んだことのある者、直撃したことのある者もいる。“旧知の部員”は見つからぬまま、最後に辿り着いたのは編集長の席――。対面の様子は配信中の番組でご覧いただくとして、直後の『週刊文春』編集長メルマガにはこんな原稿が載っていた。
《インタビューやラジオには出たことはありますが、動画取材は一度もありません。(略)香取さんについては、これまで「週刊文春」で何度も記事にしてきました。その当人が、取材に来られるのにお断りするのは、さすがに申し訳ないと考えたからです。(略)こちらの目をまっすぐ見て、質問してこられること。