必死の捜索の末に…
夕刻、畑仕事から自宅へと帰ったA夫婦に不安が襲った。いつもいるはずのBが家のどこを探してもいなかった。さらには、家屋の内外がただならぬ雰囲気を醸し出していた。
A夫婦は即座に近所の者に状況を知らせ、応援者とともにBの捜索を始めた。しばらくすると、家から50mほど離れた場所に点在する血痕を見つけた。
血痕をたどると、さらに50mほど進んだ場所で布切れを発見した。イバラの小枝に引っかかった布切れをよく見ると、それはBの着物の一部であった。
不安は増すばかりであったが、さらに捜索の範囲を広げ、Bの行方を懸命に探し続けた。着物が引っかかっていたイバラから、さらに600mほど先の林の中へ入ると愕然とした。
笹藪の中に遺体が発見された。臀部と両足の肉がほとんど食い尽くされていた。周囲には内臓が飛び散っており、全身に無数の爪痕が残されていた。無残極まりない、変わり果てた姿だった。
その後、少女を襲ったヒグマの捜索が続けられたが、ついに捕獲されることはなかった。
なお、少女とその家族を襲ったこの一連の悲劇は、「下富良野少女ヒグマ襲撃事件」として、当時の新聞『北海タイムス』が報じている。
2022年「クマ部門」BEST5 結果一覧
1位:「巨大ヒグマがダダッと駆け降りて『グワァ』と…」4回ヒグマと遭遇した“ハンター御用達”職人が最も危険を感じた瞬間
https://bunshun.jp/articles/-/59793
2位:出てきたのは女の髪の毛、赤子の両手…人喰いヒグマを解剖してわかった「衝撃の中身」
https://bunshun.jp/articles/-/59791
3位:「両足の肉がほとんど食い尽くされていた」留守番中の11歳少女を襲った「1904年のヒグマ襲撃事件」の惨劇
https://bunshun.jp/articles/-/59790
4位:「腹破らんでくれ!」胎児を含む7人が殺害…国内最多の死者数を出した「三毛別ヒグマ事件」の壮絶
https://bunshun.jp/articles/-/59789
5位:「と……と、とにかく、逃げられるだけ逃げよう」大熊に追われたハンター3人…銃も使えない絶体絶命の逃走劇
https://bunshun.jp/articles/-/59788
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