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村上宗隆選手は、元ソフトバンクの松中信彦さんに近いかも

――日本プロ野球期待の村上宗隆選手、佐々木朗希投手をどう見ていますか。

松坂 僕が対戦した選手でいうなら、村上選手は松中(信彦=元ソフトバンク)さんに近いかもしれない。松中さんも三冠王取ったという先入観があるのかもしれないけど。

村上崇隆選手 ©文藝春秋

斎藤 松中さんと対戦するときって、どんな攻め方したんですか。

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松坂 ストレート勝負。本来なら色んな球種を使って惑わせて打ち取るというのが定石なんだろうけど、どうしてもストレート勝負したいという欲求が抑えられなくて。それでよくホームランを打たれていた。僕がもし元気で、村上選手と対峙したら多分、同じことをやると思うなあ。

斎藤 僕は彼とファームでよく対戦したんですよ。彼は入団当初から選球眼が凄く良くて、当然パワーもあって。彼を打ち取るには、インコースのカットボールでちょっと開かせるかチェンジアップで前に出して、最終的にはフライを上げてくれればいいな、という攻め方。でも僕も1年目の彼によく打たれた(笑)。

村上崇隆選手 ©文藝春秋

松坂 僕はライオンズに戻った1年目のオープン戦で対戦したことがあるけど、とにかく選球眼がいいし、速球にも強い。彼のようなスラッガーって150㎞ぐらいだと軽く対応できるのに、155㎞以上になると打ちあぐねるケースが多い。でも村上選手は対応している。今までにないバッターだと思う。

斎藤 彼は苦手とする投手っているんでしょうか。日本シリーズでオリックスは彼を抑え続けたので、あの試合を分析すればヒントがあるかもしれませんね。

松坂 WBCでは韓国や米国が村上対策として日本シリーズを研究するかも。

斎藤 佐々木朗希選手を大輔さんは取材したことがあるんですよね。

松坂 キャンプの時に話をした。素朴で大人しそうな姿から、160㎞オーバーの速球投手のイメージが湧いてこなかった(笑)。

 ブルペンも見せてもらったんだけど、力感なく投げているのに、それでも150㎞後半は出ていた。目いっぱい腕を振っていないところに余力を感じたし、まだまだ伸びる選手だと確信したよね。

長い手足を上手くコントロールしている佐々木朗希投手

――大谷選手と比べてどうですか。

松坂 どちらも160㎞オーバーの速球投手だけど、タイプが違う。大谷選手は力投派で、佐々木選手はコントロールが巧み。

斎藤 190㎝前後の高身長の選手は体のコントロールが難しいんじゃないですか。

松坂 確かに。かつての高身長の選手は体を持て余し気味だったけど、ダルビッシュの頃から変わってきたような気がする。長い手足を上手くコントロールしているように見える。その辺の感覚をいずれ聞いてみたい。

 山本選手や佐々木選手のような日本の若い選手がWBCでどう活躍するのか楽しみ。

斎藤 僕は、日本選手が栗山監督の下でどのように成長するのかも注目したい。栗山監督はチームを纏めるのが本当に上手い。選手一人一人に声をかけ能力を引き出していく。WBCで優勝した後、みんなが野球選手としてだけでなく人として成長できたと思えるチーム作りをしていくと想像できる。

 大輔さんはWBCを取材するでしょうから、その辺の変化もチェックしてみてください。(#2に続く)

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。