「詐欺師の渡部さんに騙され、利用されたこと、私が詐欺に加担したと誤解されていることは、誠に無念であり、お恥ずかしい限りであります」
法廷でこう声を響かせたのは、大阪府寝屋川市議の吉羽美華被告(42)だ。
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白のパンツスーツで無罪を主張
独立行政法人福祉医療機構(WAM)のコロナ融資制度を悪用して約2億9000万円を詐取したとして今年8月に逮捕された吉羽。3件の詐欺罪で起訴された。
その初公判が12月20日午後1時半、福岡地裁第905号法廷で開かれた。開廷数分前、吉羽が入場すると、傍聴した記者の後ろにいた男性がこう漏らした。
「美人過ぎる……」
吉羽は白のパンツスーツという“勝負服”。逮捕から約4カ月半、頭髪は生え際から1つに結った部分までは真っ黒だが、ポニーテールは茶髪になっており、時の流れを感じさせる。着席すると、膝の上の紙を見ながら必死に証言を確認していた。
開廷。裁判長に職業を聞かれた吉羽は一際高い声で「市議会議員です!」。罪状認否ではこう主張した。
「私は、渡部秀規さんと、詐欺の共謀をしたことはありません」
吉羽と共犯で逮捕されたのが、WAMの「審議官」を騙っていた無職の渡部秀規被告(48)。渡部は、11月上旬に行われた公判で起訴内容をすべて認めた上で吉羽も詐欺を認識していた旨を証言している。
だが、吉羽は法廷で真っ向から反論。
「私も渡部さんに騙されており、(コロナ融資の返済がなくなる)『特別ルート』の存在を信じておりました。渡部さんたちのやっていることがおかしいと分かった後は(被害会社を)訪問していませんし、手数料も私の手元に入っていません」