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代理人弁護士が読み上げた意見はなぜか“小説調”
その後、吉羽の代理人弁護士が意見を読み上げたのだが、なぜか“小説調”。
〈第一に、みんな渡部に騙されていた〉
こう切り出すと、2年前、ホテル「ハイアットリージェンシー大阪」で出会った渡部が高級車を何台も保有していたことに触れ、
〈実業界の成功者であって、吉羽さんにとっては頼りがいのある存在に見えた〉
そして、
〈(吉羽が)政治家、あるいは政治家の妻だったころの経験として、各種公共政策の給付金の領域では有力者の見えない力が働く、と肌身で実感していたため、政財界、医療融資業界の大物が関与する「特別ルート」は本当に存在する、とどんどん信じ込んでいった〉
と語り、こう締めた。
〈捜査機関は渡部のウソを信じて行動を共にし、何かと目立つ存在であった吉羽さんのほうにターゲットを移し、捜査を推し進めていった――というのは、大いにあり得る話である〉
最後、吉羽は裁判長に向かって深々と頭を下げ“優等生ぶり”を演出。この日の公判は幕を閉じた。
吉羽の話はコロコロ変わる
だが、吉羽に現金約7000万円を預けたまま戻ってきていないという男性は、公判が行われた後、週刊文春の取材にこう語るのだった。
「彼女にとって借りた金を返しもせずに『返したよね?』などと強弁するのは当たり前。周囲には『あの金はもう返さなくていいの』などとシラを切る。話がコロコロ変わるのは日常茶飯事なんです」
次の公判ではどんな“物語”が飛び出すか。