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高卒2年目・古賀優大に注目 ヤクルト捕手勢力図

文春野球コラム ウィンターリーグ2017

2018/01/27
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 四国というイメージからは程遠い。今年の松山は雪がちらつく程の冷え込みで、選手たちは室内練習場で自主トレをスタートさせた。毎年恒例の松山坊っちゃんスタジアムでの自主トレ。腰の手術から回復した川端慎吾を筆頭に、今年も山田、荒木、谷内、中村、鵜久森らヤクルト選手9人と、阪神の北條、日本ハムの清水、巨人の寺内が参加した。

 松山とスワローズの縁は深い。秋季キャンプの地でもあり、毎年公式戦の日程も組まれる。古くから池山や宮本といった選手たちが自主トレで利用してきた。今中心となっている川端らも、「宮本塾」でしごかれた選手たちだ。選手たちにとっては「ホーム」である松山。地元の人たちも、年に何度か燕の戦士たちが滞在し、元気な姿を見せてくれるのを心待ちにしている。

松山自主トレ組から見る捕手の勢力図

 自主トレメンバーは毎年少しずつ変わっていく。宮本が引退し、川崎や川上、松井淳らが抜け、昨年はいた飯原が今年はいなくなった。その代わりに、少しずつ新しいメンバーも加わっていく。

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 昨年に続き、今年も山崎晃大朗、廣岡大志という若手野手が参加した。昨年は一軍での試合経験を積み、今年の飛躍が期待される二人だ。一軍でレギュラーを獲るには課題があるのも明らかで、自主トレでもやるべきことは分かっているというように精力的に動いていた。2015年首位打者の川端、2年連続トリプルスリーの山田といった一流選手と寝食を共にしトレーニング出来るというのは、若手にとって願ってもない環境だ。さらに今年から、高卒捕手が一人加わった。高知・明徳義塾出身の古賀優大。2年目捕手が参加したことで、今年の捕手の勢力図に俄然興味が湧く。

自主トレ「松山組」に初参加した古賀 ©HISATO

 一軍の捕手筆頭は、今年28歳の中村悠平と26歳の西田明央。この構図は変わらない。中村はチームの要として存在感を増している。西田の武器は打撃だけに、正捕手を争うには.137で終わった打率を大幅に上げていく必要がある。だが中村も、まだ絶対的とまでは言えない。二人とも攻守に渡って求められるものは大きい。

 一方、今年は藤井亮太が捕手登録から内野手登録へと変わる。今までは捕手二人制とは言っても、実質捕手は一軍に三人いた。一人減ることで、捕手体制は変わるのか。新たに三人目を置くのか、あるいはずっと二人でいくのか。その場合、中村が順調なら西田は試合に出られない。試合に出すために二軍の誰かと入れ替えることになるのか。その点にも注目したい。

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